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京都大学 研究Discovery Saga
2026年7月10日

星が爆発した現場において、生まれたばかりの星を包む多様な有機分子を含んだゆりかごを世界で初めて発見

―宇宙における有機分子の多様性や太陽系形成環境への新たな知見がもたらされることを期待―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
超新星爆発の影響を受けた星のゆりかごやその中にある原始惑星系円盤の物理的・化学的性質がより詳細に明らかになることが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学総合理工総合生物
【Sagaキーワード】
高エネルギー/高エネルギー粒子/磁場/衝撃波/新星/星間物質/太陽/太陽系/超新星/超新星残骸/超新星爆発/天文学/望遠鏡/有機分子/極限環境
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

研究者情報

研究者名
大屋 瑶子

京都大学 教育研究活動データベース

概要

星が爆発した現場で、多様な有機分子を含む星のゆりかごが初めて発見されました。
 新潟大学理学部の下西隆准教授、岐阜大学の佐野栄俊准教授、理化学研究所開拓研究所の古家健次研究員、京都大学基礎物理学研究所の大屋瑶子講師は、アルマ望遠鏡を用いて、約1600年前に重たい星が爆発した領域を観測し、星の赤ちゃんを包む暖かい分子ガスのゆりかご(ホットコア)を発見しました。さらに、このゆりかごには、複雑な有機分子や水をはじめとして、様々な分子が含まれていることも明らかになりました。今回の発見は、超新星爆発という有機分子にとっては過酷な環境にあっても、生まれたばかりの星はそのゆりかごに守られ、化学的な豊かさが保たれる可能性を示唆しています。本研究は、宇宙における有機分子の多様性や、私たちの住む太陽系が形成された環境の理解などに大きく貢献することが期待されます。この研究成果は、2026年7月1日に天文学論文誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に掲載されました。
画像

超新星残骸に発見された星の赤ちゃんを包む暖かい分子ガスのゆりかご(ホットコア)の想像図。青色は超新星爆発により生じた高エネルギー粒子や光子、茶色は星間物質を表している。クレジット:下西隆(新潟大学)[本研究の観測結果に基づき、Google GeminiおよびChatGPTによる描画支援を利用]

研究者のコメント
「超新星爆発という、宇宙最大規模の爆発現象が近くで起きた現場でも、生まれたばかりの星の周りでは、有機分子を含む様々な物質が、その化学的な豊かさを保っていることが明らかになりました。超新星爆発が起きた領域は、太陽系が形成された環境との類似性も指摘されており、非常に興味深い研究対象です。今後の研究のさらなる進展にも期待したいです。」(下西隆)
「本研究対象である RX J1713.7-3946 は、宇宙の時間尺度で見ると、超新星爆発から間もない天体であり、極めて強力な衝撃波と高エネルギー粒子で満たされています。そのような極限環境の中でも、星のゆりかごが『磁場』によって守られているという事実は、驚くべき発見でした。星の終焉と誕生の繋がりを理解するうえでも重要な成果です。」(佐野栄俊)

詳しい研究内容について

星が爆発した現場において、生まれたばかりの星を包む多様な有機分子を含んだゆりかごを世界で初めて発見―宇宙における有機分子の多様性や太陽系形成環境への新たな知見がもたらされることを期待―

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.3847/1538-4357/ae6fba

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/301911

【書誌情報】
Takashi Shimonishi, Hidetoshi Sano, Kenji Furuya, Yoko Oya (2026). Survival of Molecular Complexity under Recent Supernova Feedback: Detection of Hot Cores in RX J1713.7−3946.The Astrophysical Journal, 1005, 2, 142.

関連部局

基礎物理学研究所