[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

名古屋大学 研究Discovery Saga
2026年7月1日

脳が全身の脂肪消費をコントロールする仕組みを解明

― 生活習慣病の予防につながる新たな代謝制御メカニズムを発見 ―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
肥満症や糖尿病などの生活習慣病に対する新たな予防・治療法の開発につながることが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
複合領域生物学工学医歯薬学
【Sagaキーワード】
エネルギー消費量/生活リズム/生殖/エネルギー消費/コネクトミクス/視床/視床下部/肥満症/ニューロン/脂肪組織/筋肉/交感神経/マウス/内分泌/自律神経/生活習慣病/生理学/糖尿病



農学
2026.07.01

研究のポイント

・脳の視床下部室傍核にあるNos1ニューロンが、単にエネルギー消費を増やすのではなく、全身の脂肪消費を選択的に高めることを発見しました。
・Nos1ニューロンは、自律神経の一つである交感神経を通じて、脂肪組織や筋肉などの代謝を調節していました。
・Nos1ニューロンは、マウスの休息期である昼間に脂肪消費を高めるリズムをつくっていました。
・Nos1ニューロンによる脂肪消費は、マウスが体重を維持するために必要でした。
 
鳥取大学医学部統合生理学分野の近藤 邦生准教授(元 生理学研究所 助教)、椙山女学園大学の箕越 靖彦教授(生理学研究所 名誉教授)、名古屋大学の中島 健一朗教授(元 生理学研究所 准教授)らの共同研究グループは、脳が自律神経を介して全身の脂肪消費を調節し、体内で脂肪をエネルギーとして利用する仕組みを解明しました。
 
私たちの体は、食事で得た糖や体に蓄えた脂肪を状況に応じて使い分けています。脳がエネルギー消費量を調節することは知られていましたが、「糖を使うのか、脂肪を使うのか」というエネルギー源の選択をどのように制御しているのかは十分に分かっていませんでした。
今回の研究で、脳が全身に指令を送り、脂肪をエネルギーとして使う仕組みを調整していることが明らかになりました。本研究成果は、食事や生活リズムと健康の関係を理解する新たな手がかりとなり、将来的には肥満症や糖尿病などの生活習慣病に対する新たな予防・治療法の開発につながることが期待されます。
なお、本研究成果は2026年6月29日付で国際学術誌「Nature Communications」にてオンライン公開されています。 
 
◆詳細(プレスリリース本文)はこちら
 

論文情報

●題目:Nos1 neurons in the paraventricular hypothalamic area modulate lipid metabolism via the sympathetic nervous system in male mice
●著者:近藤邦生1,2,*、橋内咲実3,4、稲葉有香3,4、井上啓3,4、山田芹華5、宮道和成5、吉村祐貴2、中島健一朗1,6、檜山武史2、箕越靖彦1,7,*
1 自然科学研究機構 生理学研究所 生殖・内分泌系発達機構研究部門
2 鳥取大学 医学部 統合生理学分野
3 金沢大学 大学院医薬保健学総合研究科
4 金沢大学 新学術創成研究機構
5 理化学研究所生命機能科学研究センター 比較コネクトミクス研究チーム
6 名古屋大学大学院生命農学研究科
7 椙山女学園大学 生活科学部 管理栄養学科
* 責任著者
●掲載誌:Nature Communications
●DOI:10.1038/s41467-026-74362-9
●URL:https://doi.org/10.1038/s41467-026-74362-9
 
 

研究代表者

大学院生命農学研究科 中島 健一朗 教授
https://alimentary-neuroscience.labby.jp/