難治性前立腺がんの進行メカニズムを新たに解明
―前立腺間質細胞との相互作用による前立腺がん細胞のKRASシグナル活性化を特定―
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | 有効な治療法がない DNPC に対する新規治療法開発に活用されることが期待 |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
抵抗性/アンドロゲン受容体/去勢抵抗性前立腺がん/新規治療法/がん遺伝子/細胞株/浸潤/ホルモン/腫瘍マーカー/前立腺がん/アポトーシス/アンドロゲン/がん細胞/間質細胞/細胞死/受容体/阻害剤/遺伝子
Research NEWS
医薬保健研究域医学系、教授/医薬保健研究域医学系、准教授 溝上 敦 /泉 浩二MIZOKAMI, Atsushi/IZUMI, Kouji 2026/6/19
概要
金沢大学医薬保健研究域医学系泌尿器集学的治療学の溝上敦教授、泉浩二准教授、同大学大学院医薬保健学総合研究科医学専攻博士課程4年の神島泰樹(附属病院泌尿器科特任助教)を中心とする研究グループは、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)(※1)の中でも極めて治療が困難な、「ダブルネガティブ去勢抵抗性前立腺がん(DNPC)(※2)」の進行を支える新たな分子メカニズムを解明しました。近年、強力な新規ホルモン剤の普及に伴い、従来の腫瘍マーカー(PSA、NSE、ProGRP)が上昇しないまま画像検査で転移・進行が確認される「DNPC」の症例が急増しており、臨床上の大きな脅威となっています。本研究では、ホルモン療法によりアンドロゲン受容体(AR)(※3)シグナルが抑制されることで、前立腺がん細胞と周囲の前立腺間質細胞が相互作用し、がん遺伝子 KRAS(※4)を異常活性化させて細胞死(アポトーシス)を免れる一連のプロセスを特定しました。さらに、DNPCの特徴も持つ前立腺がん細胞株に対して汎KRAS阻害剤が増殖・遊走・浸潤を抑制し、細胞死を誘導することを証明しました。本研究成果は、有効な治療法がない DNPC に対する新規治療法開発に活用されることが期待されます。
本研究成果は、2026年5月2日に英国科学誌『Cell Death & Disease』のオンライン版に掲載されました。
金沢大学 研究