メラニン凝集ホルモンが魚類の骨代謝を制御することを初めて解明
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | メラニン凝集ホルモンが魚類の骨代謝の調節に深く関与し、その処理方法により、作用が異なることが明らかに |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
Research NEWS
環日本海域環境研究センター、教授
鈴木 信雄SUZUKI, Nobuo
2026/6/11
概要
金沢大学環日本海域環境研究センターの鈴木信雄教授、自然科学研究科生命理工学専攻博士後期課程/「知」の共創と往還で実現する新価値創造人材育成プロジェクト(HaKaSe⁺ for SPRING)選抜学生(研究当時)の黒田康平および理工学域生命理工学類4年の木村咲月、北里大学の高橋明義名誉教授および水澤寛太教授、文教大学の平山順教授、立教大学の服部淳彦特任教授および丸山雄介助教を中心とした共同研究グループは、キンギョのウロコ(図1)を骨モデルとして用いることで、メラニン凝集ホルモン(※)の魚類の骨に対する作用を初めて明らかにしました。培地にメラニン凝集ホルモンを添加してキンギョのウロコを培養したところ、短時間では破骨細胞の遺伝子発現が抑制され、骨吸収の抑制が確認されました。一方、1日おきに10日間投与すると、再生ウロコで破骨細胞の活性化とカルシウム溶出が見られ、血中カルシウム濃度の上昇とカルシトニン分泌の促進も確認されました。これらより、メラニン凝集ホルモンは短期では骨吸収を抑制し、長期では間接的に促進する可能性が示されました。
本研究により、メラニン凝集ホルモンが魚類の骨代謝の調節に深く関与し、その処理方法により、作用が異なることが明らかになりました。ウロコには、骨芽細胞・破骨細胞・骨細胞が存在しており(図1)、メラニン凝集ホルモンはこれらの細胞に働きかけて骨形成と骨吸収を調節していると考えられます。これらの知見は、その分子機構の解明につながることが期待されます。
本研究成果は、2026年3月20日にイギリスの国際学術誌『Scientific Reports』のオンライン版に掲載されました。
金沢大学 研究