Afamin/Wnt3a 複合体の姿と動きの観察に成功
―疎水性ポケットの重要性を明らかに― ナノ生命科学研究所、教授 古寺 哲幸 KODERA, Noriyuki
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
時間分解/高速AFM/時間分解能/構造モデル/ドメイン構造/原子構造/AFM/原子間力顕微鏡/分解能/生体内/変異体/高速原子間力顕微鏡/空間分解能/血清/組織構築/Wnt/シグナル分子/再生医療/生体分子/脂質
Research NEWS
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2026/6/5
概要
金沢大学大学院新学術創成研究科ナノ生命科学専攻博士後期課程の市田光、水野皓介(現・大阪大学蛋白質研究所 博士研究員)、ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)の古寺哲幸教授、ホルガー・フレクシグ特任准教授、大阪大学蛋白質研究所の戸田聡准教授の共同研究グループは、血清タンパク質であるAfamin が、脂質修飾シグナル分子のWnt3a を安定化して運ぶ際の姿と動きの観察に成功しました。さらに、この二つの分子が正しく結合するためには、Afamin が持つ、Wnt3a の脂質を収容するための疎水性のポケット(※1)が必須であることを明らかにしました。Wnt タンパク質は、体や臓器の形づくりから、それらを健康に保つための過程で欠かせない大切な分子です。しかし、水に溶けにくい性質(疎水性)を持つため、生体内では他の分子と協力しながら、水に溶けやすくなることで、安定して目的の細胞に運搬されます。本研究では、Wnt3a が別のタンパク質に助けられながら安定して運ばれる仕組みの一端が示されました。
本研究で得られた知見は、Wnt3a が関わる生命現象の仕組みの理解を深めるとともに、将来的には生体外での組織構築技術や再生医療分野への展開が期待されます。
本研究成果は、2026 年4 月15 日(現地時間)に米国化学会機関誌『Nano Letters』のオンライン版に掲載されました。
金沢大学 研究