[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

東京大学 研究Discovery Saga
2026年5月20日

妊娠成立の鍵を握る子宮内環境形成の新機構を解明

―TAZが細胞外マトリックスと血管形成を制御し、正常な胚発育を支える―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
着床期における子宮内膜環境の形成機構の一端を明らかにしたものであり、不妊症や胎盤形成異常、胎児発育不全、さらには妊娠高血圧症候群などの妊娠合併症に対する新たな診断・治療法の開発につながることが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
生物学総合理工工学医歯薬学
【Sagaキーワード】
生殖/胚発生/生殖補助医療/ダイナミクス/合併症/子宮/子宮内膜/浸潤/脱落膜/着床/不妊症/胎児/血管形成/RNA/コラーゲン/トランスクリプトーム/マウス/間質細胞/血管新生/細胞外マトリックス/胎盤/遺伝子/血圧/高血圧/新生児/妊娠/妊娠高血圧症候群

2026年05月19日研究

概要

東京大学医学部附属病院の藍川志津特任研究員(研究当時/現・筑波大学生存ダイナミクス研究センター准教授)、東京大学大学院医学系研究科の賀雪婷(医学博士課程:研究当時)、廣田泰教授らは、着床期子宮内膜における脱落膜化過程において、HippoシグナルのエフェクターであるTAZ(WWTR1)が、コラーゲンを中心とした細胞外マトリックス(Extracellular matrix:ECM)の再構築を制御し、胚の着床とその後の正常な胚発生・胎盤形成に必須の役割を果たすことを明らかにしました。シングルセルRNAシーケンスおよび空間トランスクリプトーム解析により、TAZが子宮内膜間質細胞におけるECM関連遺伝子群の発現を誘導し、脱落膜形成および血管新生を促進することを見いだしました。さらに、子宮特異的TAZ欠損マウスを用いた解析から、TAZの欠損が脱落膜化不全、胚の浸潤障害や流産・新生児致死を引き起こすことを示し、TAZが着床後初期の子宮内環境形成に不可欠であることを実証しました。
不妊症は世界の成人人口の約6人に1人が直面する重要な課題であり、日本においても生殖補助医療の需要は年々増加しています。しかし、良好な胚を移植しても妊娠に至らない着床不全は依然として大きな問題です。本研究成果は、着床期における子宮内膜環境の形成機構の一端を明らかにしたものであり、不妊症や胎盤形成異常、胎児発育不全、さらには妊娠高血圧症候群などの妊娠合併症に対する新たな診断・治療法の開発につながることが期待されます。
※詳細は添付ファイルをご覧ください。
リリース文書

ファイルを保存される方は、マウスの右クリックから「対象をファイルに保存」、「名前をつけて保存」などを選択して保存して下さい。