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名古屋大学 研究Discovery Saga
2026年5月19日

細胞の直接変換過程をシミュレーションで再現 AIで細胞変換を誘導可能な低分子化合物を予測

〜iPS細胞を介さない新たな再生医療の開拓へ〜

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
提案手法は、再生医療分野をはじめとする細胞治療のための細胞作製の効率化や安全性向上につながることが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学環境学工学総合生物農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
プログラミング/情報学/人工知能(AI)/化学物質/シミュレーション/生物活性/TEMPO/iPS細胞/心筋/筋肉/分子標的/ダイレクトリプログラミング/リプログラミング/幹細胞/肝細胞/血液/再生医療/細胞治療/生体分子/多能性幹細胞/低分子化合物/転写因子/分子標的薬



複合領域
2026.05.19

研究のポイント

・体細胞を別の種類の細胞へと直接変換するダイレクトリプログラミングを誘導する低分子化合物を予測するAI技術を開発した。
・細胞の変換過程をシミュレーションで再現して初期、中期、後期の複数段階に分類し、それぞれの段階に適した低分子化合物の組み合わせを予測することに成功した。
・提案手法は、再生医療分野をはじめとする細胞治療のための細胞作製の効率化や安全性向上につながることが期待される。
 
国立大学法人九州工業大学 大学院情報工学研究院の濱野桃子准教授らの研究グループは、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院情報学研究科の山西芳裕教授との共同研究により、iPS細胞※1を介さずに、細胞を別の種類の細胞へ直接変換する「ダイレクトリプログラミング※2」を誘導する低分子化合物※3について、その最適な組み合わせを予測する新たな手法を開発しました。
本研究成果は、2026年5月18日にCommunications Chemistryで公開されました。
 
◆詳細(プレスリリース本文)はこちら
 

用語説明

※1 iPS細胞:別名人工多能性幹細胞。皮膚や血液などの体細胞に誘導因子を導入することで様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力を獲得した細胞。
※2 ダイレクトリプログラミング:細胞が筋肉や神経など特異的な形質を獲得するための鍵となる因子(転写因子や化合物)を作用させることで、体細胞から多能性幹細胞であるiPS細胞だけでなく、心筋、神経、肝細胞などのさまざまな種類の細胞へ直接誘導すること。
※3 低分子化合物:生物活性を有する化学物質や薬剤のこと。特定の生体分子(タンパク質)を標的として、その機能を阻害もしくは活性化する分子標的薬を含む。
 

論文情報

雑誌名:「Communications Chemistry」(オンライン版:2026年5月18日)
論文タイトル:Simulation-guided chemical direct reprogramming informed by temporal cellular conversion processes at the single-cell level
著者:Ito, R., Hamano, M., Kawasaki, R., Watanabe, H., Matsuo, A. and Yamanishi, Y.
(†:筆頭著者)
DOI番号:10.1038/s42004-026-01991-y
URL:https://doi.org/10.1038/s42004-026-01991-y
 

研究代表者

大学院情報学研究科 山西 芳裕 教授 
https://yamanishi.cs.i.nagoya-u.ac.jp/index_J.html