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東京大学 研究Discovery Saga
2026年4月23日

ヒキガエル由来の抗がん活性ステロイドの世界初の完全化学合成 16β-ヒドロキシシュードブファレノジンの収束的全合成研究成果

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
高酸化度ステロイド天然物を基盤とした創薬研究の加速が期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
化学医歯薬学
【Sagaキーワード】
カップリング反応/立体選択的/カップリング/がん細胞/ステロイド/ラジカル/ラジカル反応/官能基/創薬



掲載日:2026年4月22日

概要

ブファジエノリドはヒキガエルなどから単離されるステロイド天然物群です。本天然物群は6/6/6/5員環(ABCD環)が縮環したステロイド炭素骨格のD環上に、不飽和ラクトンである2-ピロンを有します。これらは強心作用のほか、がん細胞に対する強力な成長阻害活性を有することが知られています。16β-ヒドロキシシュードブファレノジンはCD環が最も酸素官能基化されたブファジエノリドです。高酸化度ブファジエノリドの化学合成は困難であり、16β-ヒドロキシシュードブファレノジンの全合成は報告されていませんでした。
 今回、東京大学大学院薬学系研究科の重松航 大学院生(研究当時)、松本耀 大学院生、萩原浩一 助教、井上将行 教授の研究グループは、3つの部分構造(フラグメント)を段階的に連結させる収束的合成戦略によって、ブファジエノリドに分類されるステロイド天然物16β-ヒドロキシシュードブファレノジンの世界初の全合成を28の最長直線工程で達成しました。
 今回本研究グループが達成した全合成は、高酸化度ブファジエノリド合成に対する、カップリング反応とラジカル反応を基盤としたフラグメント連結を経る独自の炭素骨構築戦略の有効性を実証しました。また、本研究グループが確立した2-ピロンの立体選択的導入法が、高酸化度ブファジエノリドに適用可能であることを初めて示しました。本研究成果の応用により、高酸化度ステロイド天然物を基盤とした創薬研究の加速が期待できます。
リリース文書 (PDFファイル: 390KB)

論文情報

Wataru Shigematsu, Yo Matsumoto, Koichi Hagiwara, and Masayuki Inoue*, ""Convergent Total Synthesis of 16β-Hydroxylpseudobufarenogin","Angewandte Chemie International Edition: 2026年4月20日, doi:10.1002/anie.5101280.
論文へのリンク (掲載誌
)

科学と技術

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