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埼玉大学 研究Discovery Saga
2026年4月18日

光合成環境順化に必要なサイクリック電子伝達を司るタンパク質の安定化に寄与! PGRL1タンパク質におけるシステイン残基の重要性(大学院理工学研究科 高橋拓子助教)

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
環境学化学生物学工学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
光エネルギー/光化学/クロロフィル/チラコイド膜/光化学系I/光化学系II/光合成/電子伝達/葉緑体/膜構造/システイン/活性酸素/ストレス/脂質
2026/4/17

プレスリリース全文はこちらからご覧ください。

発表のポイント

植物が強い光から身を守るしくみ「サイクリック電子伝達」は、光合成装置(光化学系I)の保護に重要です。
本研究では、このしくみに関わるタンパク質PGRL1の一部(C末端部位のシステイン残基)が、PGRL1自身やパートナーであるPGR5を安定に保つために不可欠であることを明らかにしました。
この部位が損なわれると、PGRL1が存在していてもPGR5が蓄積せず、その結果、光化学系Iの光に対する耐性が低下します。
本成果は、植物が光ストレスから身を守る分子メカニズムの理解を前進させるものです。



発表概要

埼玉大学大学院理工学研究科 高橋拓子助教をはじめとする研究グループは、光合成サイクリック電子伝達に関与するPGRL1タンパク質のC末部位システイン残基が、PGRL1タンパク質の安定化や結合パートナーであるPGR5タンパク質の蓄積に必要であることを、緑藻クラミドモナスを用いた研究により明らかにしました。
本成果は、2026年3月24日(アメリカ東部時間)に、米国植物科学会の学術誌「Plant Physiology」に公開されました。

論文情報

掲載誌 Plant Physiology
論文タイトル Importance of cysteine residues in the C-terminal region of PGRL1 for PSI photoprotection inChlamydomonas reinhardtii
著者 Hiroko Takahashi, Yuki Okegawa, Atsuko Isu, Tetsuto Sato, Keisuke Yoshida, Ken-ichi Wakabayashi, Toru Hisabori, and Yoshitaka Nishiyama 
DOI 10.1093/plphys/kiag164
URL https://doi.org/10.1093/plphys/kiag164

用語解説

光化学系:葉緑体にあるチラコイド膜と呼ばれる膜構造に存在する多くのタンパク質やクロロフィル色素などの分子から構成される複合体。この中にある特別なクロロフィル分子は、光エネルギーを得て電子を取り出し、次々と受け渡すことができる。光化学系I(PSI)由来の電子は、エネルギー物質(NADPH)の生成に用いられる。光化学系II(PSII)では、伝達された電子を補充するために、水を分解して電子を得る。このとき、副産物として酸素が生じる。

活性酸素(種):酸素が電子を受け取ったり、光エネルギーによってエネルギーの高い状態になることで生じる、非常に反応性の高い酸素の一種。周囲のタンパク質や脂質、核酸などを酸化し、細胞にダメージを引き起こす。
髙橋 拓子|埼玉大学研究者総覧