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東北大学 研究Discovery Saga
2026年4月6日

エンベロープウイルス粒子を検出するサンドイッチELISAを実現

―脂質膜結合性リガンドの利用により「タンパク質」検出を「ウイルス粒子」検出に変換―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
原理上様々な種類のエンベロープウイルスに適用可能であり、ウイルス粒子の機能解析や感染力評価などへの展開が期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
環境学化学生物学工学農学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
分析技術/両親媒性/PCR法/ELISA法/持続可能/持続可能な開発/粒子計測/機能性/脂質膜/ELISA/機能解析/脂質二重膜/ウイルス感染症/酵素反応/PCR/インフルエンザ/インフルエンザウイルス/リガンド/酸化反応/ウイルス/ゲノム/感染症/抗体/脂質
2026年4月 6日 11:00

研究者情報

〇大学院理学研究科化学専攻 准教授 佐藤雄介
研究室ウェブサイト

発表のポイント

生化学において標的の検出や定量に広く用いられているサンドイッチELISA(注1に適用可能な脂質膜結合性検出リガンド(注2を開発し、A型インフルエンザウイルス(IAV)粒子の検出を実現しました。
通常の抗体型検出リガンドとは異なり、遊離タンパク質(注3には一切応答せず、IAV粒子を特異的に検出するため、ウイルス粒子の機能(感染力)評価が可能です。
併用する抗体やDNAアプタマー(注4を変更することで様々なウイルス粒子計測にも有用です。

発表概要

A型インフルエンザなど、ここ10年ほどの間に世界的に大流行したウイルス感染症のほとんどは、脂質膜を持つウイルス(エンベロープウイルス)によるものです。ウイルスによる感染症拡大抑制対策にはウイルス解析技術が必要不可欠であり、一般的にはウイルス粒子内に含まれるタンパク質を計測する抗体法ならびにゲノム(核酸)を計測するPCR法が用いられています。一方、これらはウイルス粒子構造を破壊後に解析する手法であり、感染力などのウイルス粒子としての機能を評価することは困難です。
東北大学大学院理学研究科の佐藤雄介准教授らの研究グループは、典型的なエンベロープウイルスであるA型インフルエンザウイルス(IAV)粒子を解析するための新たな分析技術を開発しました。佐藤准教授らが独自に開発してきたウイルス脂質膜に結合する両親媒性a-helixペプチド(AHペプチド)(注5をサンドイッチELISA法の検出リガンドとして用いることで、IAV粒子の選択的検出を実現しました。本手法は原理上様々な種類のエンベロープウイルスに適用可能であり、ウイルス粒子の機能解析や感染力評価などへの展開が期待できます。
本研究成果は、2026年4月2日(米国東部時間)にアメリカ化学会(ACS)の学術誌ACS Sensorsに掲載されました。



図1. 本手法の概略図:(i) 基板に固定化したHAを認識するDNAアプタマーによるIAV捕捉、(ii) ウイルス脂質膜に結合するtrApoC-C12リガンドへの結合(iii) HRP部位によるTMB酸化反応による発色・検出

用語解説

注1. サンドイッチELISA:2種類の分子により、標的を挟み込んで(サンドイッチ)複合体を形成させ、標的を検出・定量する方法。一般的には結合分子として抗体を用いることが多く、検出用抗体の先に連結した酵素による呈色反応を用いる(ELISA:enzyme-linked immunosorbent assay、酵素結合免疫吸着測定法)。
注2. 脂質膜結合性検出リガンド:ウイルス粒子表面の脂質膜に選択的に結合する分子(リガンド)。リガンドに酵素を連結することで、酵素反応による検出が可能。
注3. 遊離タンパク質:ウイルス粒子を構成していたタンパク質が、粒子の破壊などに伴って水中に遊離したもので、感染力はない。
注4. DNAアプタマー:特定の標的分子に対して優れた結合能を有する機能性DNA。
注5. α-helixペプチド(AHペプチド):α-helix構造を取った際に、疎水面と親水面が生じるペプチド配列。両親媒性α-helix ペプチドの中には、その疎水面が高い曲率を持つ脂質二重膜の表面に現れる脂質パッキング欠損構造に挿入(疎水性挿入)される性質を持つものがある。

論文情報

タイトル:Viral membrane-targeting amphipathic helical peptide ligands for colorimetric sandwich assays of influenza A virus particles
著者: Kota Matsumoto, Yusuke Sato*, Yusaku Hatanaka, Satoshi Kurihara, Yoshitaka Sato, Arihiro Narita, Seiichi Nishizawa*
*責任著者:東北大学大学院理学研究科 准教授 佐藤雄介、教授 西澤精一
掲載誌:ACS Sensors
DOI:10.1021/acssensors.6c00241

詳細(プレスリリース本文)

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院理学研究科化学専攻
准教授 佐藤 雄介(さとう ゆうすけ)
TEL:022-795-6551
Email:yusuke.sato.a7*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院理学研究科
広報・アウトリーチ支援室
TEL:022-795-6708
Email:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)






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