脂肪を構成する脂肪酸を光で定量的に分析する技術を開発
―病気予防技術の開発に貢献―
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
2026年3月31日 14:00
研究者情報
〇農学研究科 教授 仲川清隆農学研究科 助教 乙木百合香
農学研究科 助教 楠本惟吹
研究室ウェブサイト
発表のポイント
ラマン分光法は試料に光を照射するだけで分析できるため、顕微鏡下の生きた細胞でも、人の体でも、あるがままの状態を知ることができます。脂肪(トリアシルグリセロール)は脂肪酸という部品で構成されており、脂肪酸は食べ物から吸収されるだけでなく体の中でも作られます。異なる細胞は異なる脂肪酸に反応し、例えば、肝臓細胞は高濃度のリノール酸で細胞死を誘導することがあります。
ひとつの細胞の中の脂肪は極めて微量なため、従来の方法では分析が困難でした。今回新たに開発した方法を用いることで、細胞の中の脂肪滴一つひとつまで、どのような脂肪酸からできているのかを、細胞が生きたままで分析することができます。
発表概要
関西学院大学(兵庫県西宮市、学長:森康俊)生命環境学部の佐藤英俊教授、岩崎啓太助教、理工学研究科のBibin Bintang Andriana准教授、Pradjna N. Paramitha氏(博士課程後期課程)、尾崎幸洋名誉教授と、東北大学大学院農学研究科の仲川清隆教授、乙木百合香助教、楠本惟吹助教らの研究グループは、生きた細胞の中に蓄積する脂肪の組成を定量的に分析できる技術を開発しました。本研究成果は、「Analytical Chemistry」に2026年3月9日付(日本時間)で掲載されました。

図:脂肪細胞内の脂肪滴の写真(A)と脂肪滴のラマンスペクトル(B)。脂肪滴のラマンスペクトルを開発した定量分析モデルで解析した結果とガスクロマトグラフィー(GC)の結果の比較(C)。GC結果は培養皿全体の細胞の平均値。ラマン分析結果は30細胞の平均値。ラマン分析結果のエラーバーの大きさは、細胞間での濃度の分散を表す。
論文情報
タイトル:Raman Spectroscopy - Based Quantitative Analysis of Fatty Acid Compositions of Lipid Droplets in Live Cells著者:Pradjna N. Paramitha, Keita Iwasaki, Bibin B. Andriana, Yurika Otoki, Ibuki Kusumoto, Yukihiro Ozaki, Kiyotaka Nakagawa, and Hidetoshi Sato*
*責任著者
掲載誌:Analytical Chemistry
DOI:10.1021/acs.analchem.5c04227
詳細(プレスリリース本文)
問い合わせ先
東北大学大学院農学研究科 広報室Tel:022-757-4034
E-Mail:agr-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)


東北大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています
東北大学 研究