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京都府立医科大学 研究Discovery Saga
2026年3月28日

水を飲む感覚を担う脳内の神経細胞を発見

〜水がもたらす心地よさのメカニズム解明と脱水症予防への貢献に期待〜

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
飲水行動をコントロールするために必要な感覚情報を伝達する神経ネットワークが脳内に存在することが示され、マウスにおける具体的な神経細胞を同定
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
医歯薬学
【Sagaキーワード】
神経ネットワーク/マウス/神経細胞/高齢者/生理学

研究のポイント

○ヒトを含む多くの陸上動物にとって、水分摂取は生命維持に必須の行動です。そのため、飲み始めた液体が水であることを感じ取り、心地よさを生じさせたりするなどして摂取量をコントロールする仕組みの存在が想定されますが、そのような感覚システムが脳内に存在するかは不明でした。 ○マウスを用いた実験で、水を摂取したときには活性化し、水を含まない液体を摂取したときにはほとんど活性化しない性質を持つ神経細胞を発見しました。 ○この神経細胞の活動を抑制すると、飲水量が顕著に低下しました。一方、餌を食べる行動には影響がなく、ものを摂取する行動全般ではなく、飲水行動に必要であることがわかりました。加えて、口にした液体が水であるか、あるいは水を含まない液体であるかを弁別する能力が有意に低下しました。 ○本研究により、飲水行動をコントロールするために必要な感覚情報を伝達する神経ネットワークが脳内に存在することが示され、マウスにおける具体的な神経細胞が同定されました。 ○この仕組みは、水を飲むことの心地よさに関与する可能性もあります。したがって、高齢者において自発的な飲水が減少することによる脱水症を予防する方法の開発に貢献できるかもしれません。
 

研究概要

 京都府立医科大学大学院医学研究科 細胞生理学 研究員 山田 優、京都府立医科大学大学院医学研究科 細胞生理学 兼 京都大学大学院医学研究科 分子細胞生理学 助教 野村憲吾、同 教授 樽野陽幸らの研究グループは、マウスを用いた実験で、水を飲むという感覚を担う脳内の領域、および神経細胞のグループを新たに発見しました。  本件に関する論文が、科学雑誌『Current Biology』に2026年3月25日付け(日本時間)で掲載されましたのでお知らせします。  本研究の成果は、末梢組織における水の感知や、脳における水の感覚情報処理を担うメカニズムの解明に貢献し、飲水行動の異常に対する治療法や予防策の開発につながることも期待されます。
 

論文情報

雑誌名 Current biology
発表媒体 オンライン速報版
雑誌の発行元国 米国
オンライン閲覧 可
URLhttps://www.cell.com/current-biology/abstract/S0960-9822(26)00245-9?rss=yes
掲載日 オンライン速報版:2026年3月25日(日本時間) 論文タイトル(英・日) Hindbrain neurons that underlie water discrimination and consumption
(日本語:脳幹において水の識別と摂取を担う神経細胞) 著者
 京都府立医科大学大学院医学研究科 細胞生理学 山田 優
 京都府立医科大学大学院医学研究科 細胞生理学 末松尚史 責任著者
 京都府立医科大学大学院医学研究科 細胞生理学
 兼 京都大学大学院医学研究科 分子細胞生理学 樽野陽幸
 京都府立医科大学大学院医学研究科 細胞生理学
 兼 京都大学大学院医学研究科 分子細胞生理学 野村憲吾
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