顔が見えると、英語の発話練習はより正確に
― 行動データと脳活動が示す話者の顔情報の効果 ―
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
第二言語習得/オンライン学習/人工知能(AI)/シャドーイング/言語処理/動機づけ/脳活動/映像教材/磁気共鳴/陽子/脳活動計測/持続可能/持続可能な開発/画像計測/血流/磁気共鳴画像/脳画像/脳科学/海馬
2026年3月24日 14:00
研究者情報
〇大学院国際文化研究科教授 鄭 嫣婷
研究室ウェブサイト
発表のポイント
英語学習で広く用いられる「シャドーイング(聞こえた英語をほぼ同時に繰り返す発話練習)」において、話し手の顔が見えると発話の正確さが有意に向上することを確認しました。機能的磁気共鳴画像法(fMRI)(注1)を用いた脳活動計測により、顔が見える条件では、音声と視覚の統合、記憶形成、動機づけに関わる脳領域の活動が高まることが明らかになりました。
話者の顔情報が言語処理そのものに関与する可能性を示し、AI時代においても「人の存在を感じられる学習環境」が持つ意義を示唆します。
発表概要
英語学習において、聞こえた音声をほぼ同時に繰り返す「シャドーイング」は、聞く力と話す力を結びつける練習法として広く用いられています。しかし、従来の研究や教材の多くは音声のみを対象としており、話し手の顔情報が学習に与える影響は十分に検証されていませんでした。東北大学大学院国際文化研究科で言語脳科学を専門とする鄭嫣婷教授と、第二言語シャドーイング研究を長年牽引してきた関西学院大学の門田修平教授(研究実施当時。現:同大学名誉教授)らによる共同研究チームは、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて脳活動を同時に計測し、顔情報が発話を伴う言語処理にどのように関与するのかを検証しました。その結果、顔が見えない条件と比較して、顔が見える条件では、音声と視覚の統合、記憶形成、動機づけに関わる脳領域 (左後部中側頭回、左海馬、右腹側淡蒼球など)において有意に強い活動が認められました。本研究は、話し手の顔を含む「人の存在」が言語処理に関与する可能性を示し、映像教材やオンライン学習の設計に新たな視点を提供します。
本研究成果は、2026年3月12日に、言語学および第二言語習得研究分野の国際学術誌 Language Learning に掲載されました。

図1. 顔が見えるとシャドーイングの再現精度が向上
用語解説
注1. fMRI(機能的磁気共鳴画像法): 脳の活動に伴う血流の変化を測定し、どの脳領域が働いているかを可視化する脳画像計測法。特に課題を行っている最中の脳活動を測定することで、特定の認知処理に関わる脳領域を調べることができる。論文情報
タイトル:Seeing the Speaker's Face Enhances Second Language Shadowing: Neural and Behavioral Evidence著者:鄭 嫣婷*(東北大学)、門田 修平(関西学院大学)、梶浦 眞由美(名古屋市立大学)、中西 弘(西南学院大学)、風井 浩志(関西学院大学)、川崎 眞理子(長岡崇徳大学)、中野 陽子(関西学院大学)、長谷 尚弥(関西学院大学)
*責任著者 :
東北大学大学院国際文化研究科 応用言語研究講座 教授 鄭 嫣婷
掲載誌:Language Learning
DOI:10.1111/lang.70026
詳細(プレスリリース本文)
問い合わせ先
(研究に関すること)東北大学大学院国際文化研究科
鄭 嫣婷 教授
TEL: 022-795-7607
Email:jeong*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院国際文化研究科
総務企画係
TEL: 022-795-7541
Email:int-som*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)


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