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京都大学 研究Discovery Saga
2026年3月23日

新物理に高感度な原子遷移の精密分光に成功

―既存の物理を超える未知の現象を探すための新たなツール―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
理論的に高い感度が予見されながらも精密測定が実現されていなかった内殻遷移に着目し、そのボトルネックを数年越しの実験によって打破
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学工学
【Sagaキーワード】
光格子/精密測定/標準模型/中性子/同位体/ダークエネルギー/ダークマター/ボトルネック/レーザー
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

現代物理学には、宇宙の全エネルギーの約95%を占めるダークマター・ダークエネルギーの正体が分からないなど、大きな謎が残されています。この謎を解くために、既存の物理学(標準模型)を超える新物理の探索が世界中で進められています。
 石山泰樹 理学研究科博士課程学生、小野滉貴 同准教授、高橋義朗 同教授らの研究グループは、中性イッテルビウム原子の内殻電子が励起される遷移に注目しました。この遷移は、超軽量ダークマターや局所ローレンツ不変性の破れなどの新物理現象に高い感度を持つことが理論的に予想されています。研究グループは、イッテルビウム原子を光格子と呼ばれる光のかごで捕捉し、高度に安定化されたレーザー光を照射することで、約2桁の精度改善を実現しました。さらに、この遷移を用いた新物理探索の第一歩として、同位体シフトを測定し、電子と中性子の間の新しい力に関する解析を行いました。本研究は、既存の物理学では説明できない未知の現象の高精度探索への道を切り開く重要な成果です。
 本研究成果は、2026年3月20日に、国際学術誌「Nature Photonics」にオンライン掲載されました。
画像

イッテルビウム原子の「内側」の電子にレーザー光を照射し、励起する様子。©️京都大学

研究者のコメント
「既存の物理学に挑戦する『新物理』の探索は、現代科学の最前線です。本研究では、理論的に高い感度が予見されながらも精密測定が実現されていなかった内殻遷移に着目し、そのボトルネックを数年越しの実験によって打破しました。今回の成果が、将来の物理学のさらなる発展に繋がることを期待しています。」(石山泰樹)

詳しい研究内容について

新物理に高感度な原子遷移の精密分光に成功―既存の物理を超える未知の現象を探すための新たなツール―

研究者情報

研究者名 Taiki Ishiyama ORCID 研究者名 小野 滉貴
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 高橋 義朗
京都大学 教育研究活動データベース

関連部局

理学部・理学研究科