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金沢大学 研究Discovery Saga
2026年3月19日

音楽の効果を、“感じる”から“確かめる”へ

―子どもの集団リズム活動を生物学的に検証―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
複合領域生物学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
ファシリテーター/行動科学/対人関係/神経ペプチド/神経ホルモン/神経内分泌/内分泌学/ホルモン/内分泌/オキシトシン/コルチゾール/唾液


Research NEWS 医薬保健研究域医学系、教授/子どものこころの発達研究センター、特任助教 菊知 充/辻 知陽KIKUCHI, Mitsuru/TSUJI, Chiharu 2026/3/19

概要

金沢大学医薬保健研究域医学系精神行動科学/子どものこころの発達研究センターの菊知充教授、子どものこころの発達研究センターの田中早苗特任助教、辻知陽特任助教らの研究グループは、小学生女子が初めて参加するファシリテーター付きドラムサークルにおいて、友達同士で参加した場合のみ、唾液中のオキシトシン(OXT)が活動後に上昇することを明らかにしました。
 一方、初対面同士で参加した場合には、同じ活動内容であってもオキシトシンの上昇は認められませんでした。
 オキシトシンは、人の社会的つながりや親和行動に関与する神経ペプチド(神経ホルモン)として知られています。本研究は、これまで「楽しい」「一体感がある」といった心理的報告にとどまってきた音楽・芸術活動の効果を、生物学的指標から検証した知見であり、「何をするか」だけでなく「誰と一緒にするか」が、子どもの神経内分泌反応に影響する可能性を示唆するものです。
 本研究成果は、2026 年 1 月 28 日に国際学術誌『Brain and Behavior』オンライン版に掲載されました。
 



図1:研究デザインと唾液オキシトシンの濃度変化
 (左)研究デザイン(右)ファシリテーター付きドラムサークルの前および直後におけ る唾液中オキシトシン濃度(絶対値)。友人または見知らぬ他者とともに参加した 2 群 を比較した。オキシトシン濃度は、pg/mL 単位で測定した値を log10 変換した値として 示している。Kikuchi M. et al.,Brain and Behavior, 2026, CC BY 4.0. (一部改変・日本語訳)


図2:本研究のまとめ
 定型発達の女児を対象に、友人または見知らぬ他者とともにファシリテーター付きドラ ムサークル活動に参加した際の、唾液中オキシトシンおよびコルチゾール濃度を測定し た。その結果、オキシトシンの増加は友人と参加した群においてのみ認められた。この ことから、既存の対人関係に基づく結びつきの状態が、ファシリテーター付きドラムサ ークルのような新規の社会的活動に対する神経内分泌学的反応に影響を及ぼす可能性 が示唆された。
Kikuchi M. et al.,Brain and Behavior, 2026, CC BY 4.0. (一部改変・日本語訳)
 
ジャーナル名:Brain and Behavior
研究者情報:菊知  充
田中 早苗
辻  知陽

関連情報

金沢大学 大学院医薬保健学総合研究科・医薬保健学域医学類:https://www.med.kanazawa-u.ac.jp/index.html
金沢大学 子どものこころの発達研究センター:https://kodomokokoro.w3.kanazawa-u.ac.jp/