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京都大学 研究Discovery Saga
2026年3月18日

貝たちが繰り広げる情報戦

―這った跡を使った捕食者と被食者の戦い―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
農学
【Sagaキーワード】
生態学/微生物
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

佐藤拓哉 生態学研究センター教授、和田葉子 宮崎大学助教、野田隆史 北海道大学教授、井田崇 奈良女子大学准教授、岩谷靖 近畿大学教授らの研究チームは、海岸に生息する捕食者の巻貝と被食者の笠貝を対象に、両者が移動時に残す粘液の跡を互いの情報として利用し、行動を変化させていることを明らかにしました。
 本研究の成果は、生物がその場に残す残存情報が、捕食者―被食者間相互作用の形成・維持に関与している可能性を示しており、潜在的かつ網羅的な種間相互作用の把握や形成・維持機構の解明に向けた重要な基盤研究となります。
 本研究成果は、2026年3月18日に、国際学雑誌「Journal of Animal Ecology」にオンライン掲載されました。
画像

捕食者巻貝と被食者笠貝による粘液跡を用いた情報戦の概要。本図では、黒色が被食者、青色が捕食者の軌道を示す。左上の軌道は被食者が回転行動を行っていない場合、右下の軌道は回転行動を行った場合を示しており、回転行動の有無に応じた移動軌跡と、それに対する捕食者の反応が確認できる。

研究者のコメント
「とてものんびり動いている貝たちが移動すると、そこには粘液の跡が残ります。この粘液跡は、単にその場にとどまるだけでなく、這った個体の情報を伝え、さらには微生物の餌にもなり得ます。雨の日は少し憂鬱になることもありますが、かたつむりが這っていたら、その粘液の跡を観察してみてください。もしかすると、他の生物が利用しているかもしれません。本研究は、産後、研究生活に戻ってすぐに始めたものです。保育園からの呼び出しや、そろわないデータ、メモにならないメモ、集中できなかったり寝かけていたり落ち込んでいたり…、研究の過程にもまた、多くの失敗と試行錯誤の“痕跡”が残っています。」(和田葉子)

詳しい研究内容について

貝たちが繰り広げる情報戦―這った跡を使った捕食者と被食者の戦い―

研究者情報

研究者名 佐藤 拓哉
京都大学 教育研究活動データベース

関連部局

生態学研究センター