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大阪大学 研究Discovery Saga
2026年3月13日

\ 重い感染症のサインにもなり得る / 血液培養で見つかる微生物Bacillus subtilisのほとんどは 納豆菌由来であることが明らかに

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
工学総合生物農学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
持続可能/持続可能な開発/血流/発酵/微生物/遺伝子解析/内視鏡/感染症対策/血液/抗菌薬/遺伝子/感染症/手術
2026-3-12●生命科学・医学系医学系研究科寄附講座准教授佐田 竜一

発表のポイント

血液培養で検出されたBacillus subtilisの大部分が、遺伝子解析で「納豆菌(B. subtilis var.natto)」由来であることが明らかになった。
納豆は健康によい食品として知られているが、納豆菌が血流感染の原因になる割合や重症度は、通常の培養検査では区別できず不明だった。
血液培養から得られたBacillus subtilisの多くが納豆菌由来であり、36%が真の感染症である可能性が示唆された。血液培養からBacillus subtilisが検出された場合でも「害のない菌の混入」と決めつけず、感染源検索と適切な治療につなげる重要性を示した。

発表概要

大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)・大阪大学大学院医学系研究科の佐田 竜一寄附講座准教授と天理よろづ相談所病院の研究グループは、血液培養で検出されたBacillus subtilisの70株のうち、69株(99%)が、遺伝子解析で「納豆菌(B. subtilisvar.natto)」由来であることを明らかにしました。さらに、納豆菌が検出された69例のうち25例(36%)が「真の菌血症」で、その25例のうち30日以内の死亡は4例(16%)、緊急手術・内視鏡処置が7例(28%)に必要でした。
納豆の健康効果が注目される一方、納豆菌が血流感染の原因になる症例報告もあります。B. subtilisからB. subtilisvar. nattoを分類するには遺伝子解析が必要なため、B. subtilisvar. nattoが血流感染の原因になる割合や重症度は、通常の培養検査では区別できず不明でした。
今回、公益財団法人天理よろづ相談所病院で得られた血液培養陽性の検体を対象に遺伝子検査を実施することで、Bacillus subtilisの大部分が、B. subtilis var.natto由来であることが明らかになりました。
本研究成果により、血液培養でB. subtilisが検出された場合は、納豆菌を想起して「害のない菌の混入」と決めつけず、感染源検索と適切な治療につなげることが重要だということがわかりました。
本研究成果は、Open Forum Infectious Diseases (オンライン)に、2025年9月23日に公開されました。



図1. 納豆(写真)

研究の背景

納豆は、日本の伝統的な発酵食品で、納豆菌(B. subtilisvar. natto)が大豆を発酵させることで作られます。納豆の健康効果が注目される一方、納豆菌が血流感染の原因になる症例報告もあります。さらに、B. subtilisからB. subtilisvar. nattoを分類するには遺伝子解析が必要なため、
① 血液培養から検出されたB. subtilisのうち、どの程度が納豆菌なのか?
② 納豆菌血液培養陽性例の臨床的な位置づけをどう判断すべきか?
が共に不明確でした。

研究の内容

公益財団法人天理よろづ相談所病院で2016年4月1日〜2023年3月31日に得られた血液培養陽性4634検体を対象に解析しました。そのうち、B. subtilis70検体(1.5%)に対して、遺伝子検査(bioF 遺伝子とbioW 遺伝子の特定変異)を実施したところ、69検体(99%)が納豆菌と判定されました。
さらに、診療録レビューと基準に基づき真の菌血症か混入(汚染)かを判定したところ、69例のうち25例(36%)が「真の菌血症」で、30日以内の死亡は4例(16%)、緊急手術・内視鏡処置が7例(28%)に必要でした

本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)

本研究成果により、血液培養でB. subtilisが検出された場合は納豆菌を想起し、「害のない菌の混入」と決めつけず、感染源の検索や重症度評価を行い、必要な抗菌薬治療や手術/内視鏡的治療につなげることが重要だと考えます。

特記事項

本研究成果は、2025年9月23日にOpen Forum Infectious Diseases(オンライン)に掲載されました。
タイトル:“The Majority of Bacillus subtilis Strains Isolated From Blood Cultures Were Derived From Traditional Japanese Fermented Soybeans Natto: A Single-center Retrospective Study”
著者名:Ryuichi Minoda Sada, Go Yamamoto, Shigeto Hamaguchi, Eisuke Kuroda, Akiko Okura, Manke Cai, Kotone Nakanishi, Noriyuki Abe, Shungo Yamamoto, and Satoshi Kutsuna
DOI:https://doi.org/10.1093/ofid/ofaf574
なお、本研究は、「日本財団・大阪大学感染症対策プロジェクト」の一環として行われ、天理よろづ相談所病院の協力を得て行われました。

参考URL

佐田 竜一寄附講座准教授
https://www.cider.osaka-u.ac.jp/researchers/ryuichi-sada/

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