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筑波大学 研究Discovery Saga
2026年3月6日

高齢化と単身化が同時かつ急速に進む人口構造の変化は脱炭素とエネルギー充足への「双子のリスク」に

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
複合領域環境学工学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
人口動態/脆弱性/エネルギー政策/持続可能/住宅政策/都市政策/CO2排出量/持続可能な開発/二酸化炭素/高齢化/高齢者
生物・環境


(Image by takasu/Shutterstock)

概要

高齢化と単身化が同時かつ急速に進む人口構造の変化が、脱炭素と人々のエネルギー充足の両方に構造的リスクをもたらすことを日英共同研究によって明らかにしました。当課題の解決には、気候・エネルギー政策にとどまらない、住宅・都市・社会政策を含む分野横断的な政策の再設計が求められます。
 日本では、高齢化が進むと同時に、高齢者の一人暮らしも増えています。本研究は、このような人口構造の変化が家庭で必要なエネルギー量や二酸化炭素(CO2)排出量、光熱費の負担にどのような影響を与えるのかについて、日本と英国のデータを用いて分析しました。
 分析の結果、日本と英国いずれにおいても、高齢で単身の世帯では、1人当たりでみたエネルギー使用量やCO2排出量が多く、光熱費の負担も重くなる傾向があることが明らかになりました。高齢者は一般的に在宅時間が長く冷暖房ニーズが大きいことや、世帯人数が少ないと住宅を効率よく使いにくいことなどが背景にあると考えられます。こうした高齢化と単身化が同時に進むこと(双子のリスク要因)は、今後の脱炭素の進展を制約する可能性があるだけでなく、生活に最低限必要な冷暖房などの基本的エネルギーニーズが確保できない「エネルギー貧困」のリスクを高めることにもつながります。すなわち、今後日本において「高齢かつ単身で暮らす世帯」が増えることは、環境と人々の生活の両面に大きな影響をもたらす構造的リスクとなる可能性があります。
 こうした課題に対応するためには、エネルギー・環境分野の対策だけでなく、住宅政策や都市政策、社会政策を含む分野横断的な取り組みが必要です。本研究は、今後の人口動態の変化を踏まえた新たな環境・エネルギー政策の方向性を考えるための基礎的な知見を提供するものです。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学システム情報系
奥島 真一郎 教授

掲載論文

【題名】
Aging alone: a twin threat to decarbonisation and energy vulnerability in Japan and UK
(高齢単身世帯化:脱炭素とエネルギー脆弱性への双子の脅威)
【掲載誌】
Energy Policy
【DOI】
10.1016/j.enpol.2026.115155

関連リンク

システム情報系