[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

豊橋技術科学大学 研究Discovery Saga
2026年2月27日

経口投与で体内時計を「進める」新化合物を発見

~時差ぼけや概日リズム障害の治療に新たな光~

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
時差ぼけやシフトワークなどに伴う概日リズム障害に対し、より効果的な治療法の開発に、大きく寄与することが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
生物学工学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
視交叉上核/半導体/哺乳類/ゲノム編集技術/転写抑制/概日時計/時計遺伝子/体内時計/ゲノム編集/歯学/イミン/マウス/転写因子/ゲノム/遺伝子/概日リズム

プレスリリース | 2026年2月26日

概要

「朝起きるのがつらい」「海外旅行の時差ぼけを早く治したい」――そんな願いを叶える鍵は、私たちの細胞にある『時計遺伝子』が握っています。豊橋技術科学大学次世代半導体・センサ科学研究所の沼野利佳教授、金沢大学の程 肇名誉教授(元・旧三菱化学生命科学研究所主任研究員)、大阪大学大学院歯学研究科・ゲノム編集技術開発ユニットの高畑佳史准教授、東京科学大学生命理工学院の瓜生耕一郎准教授らを含む共同研究グループは、哺乳類の概日時計遺伝子Period1(Per1)を特異的に誘導する化合物Mic-628を新たに発見しました。Mic-628はマウスへの経口投与のタイミングによらず、概日時計中枢である脳の視交叉上核と、肺などの全身の末梢組織の時計を同時に前進させ、行動リズムも常に前進させることができます。分子レベルでは、Mic-628が転写抑制因子CRY1タンパク質と直接結合し、転写因子CLOCK-BMAL1タンパク質を含むCLOCK-BMAL1-CRY1-Mic-628複合体の形成を促進します。この複合体が、Per1遺伝子転写のスイッチである「二重E-box配列」に作用して、Per1の転写を特異的に活性化することが分かりました。さらに数理解析により、Mic-628による安定した時計の前進作用の本質が、誘導されたPER1タンパク質自身による転写の「自己抑制機構」にあることを明らかにしました。本知見は、時差ぼけやシフトワークなどに伴う概日リズム障害に対し、より効果的な治療法の開発に、大きく寄与することが期待されます。

記者会見資料

令和7(2025)年度第5回定例記者会見(資料3ページ目にリンク)