鉛のもつ二つの超電導相を原子の積み重ねのずれで制御!?
~超伝導内の積層欠陥がもたらす効果の可視化に成功~
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
2026年02月27日
研究・産学連携
概要
千葉大学大学院工学研究院の山田豊和准教授、ドイツ・カールスルーエ工科大学のウルフ・ウルフヘケル教授、フランス・ロレーヌ大学のオレグ・クルノシコフ博士らの国際共同研究チームは、走査トンネル顕微鏡(STM)注1)を用いた表面観察により、超伝導物質として古くから知られている鉛(Pb)の超伝導状態が「積層欠陥」によって大きく影響を受けることを可視化することに成功しました。超電導はリニアモーターカーや量子コンピューターなど、様々な最先端研究で使われている現象であり、本研究は今後の超伝導エレクトロニクス素子や量子デバイスの開発において重要な成果となります。本研究成果は、2026年2月6日付でアメリカ物理学会が発行する学際的科学ジャーナルPhysical Review Lettersに掲載されました。
■用語解説
注1)走査トンネル顕微鏡(STM)装置:原子レベルまで尖らせた探針で試料表面をなぞるようにすることで、物質表面を原子分解能で観察できる顕微鏡。原子より小さい1pm(ピコメートル=10-12メートル)の精度で、物質の電子状態を計測できる。
■論文情報
タイトル:Visualization of Defect-Induced Interband Proximity Effect at the Nanoscale
著者:Thomas Gozlinski, Qili Li, Rolf Heid, Oleg Kurnosikov, Alexander Haas, Ryohei Nemoto, Toyo Kazu Yamada, Jorg Schmalian and Wulf Wulfhekel
雑誌名:Physical Review Letters
DOI:10.1103/4vhj-s1fq

図1:Pb(111)表面で得た (a) STM形状像と同じ場所で得た(b) STM電子分光による電子状態密度像。
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千葉大学 研究