骨吸収抑制活性を併せ持つ骨標的型ドラッグデリバリーシステムを開発
~骨が溶ける広範な病気に対する薬物治療への応用に期待~
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | リン酸化シクロデキストリンは、破骨細胞を殺さないことや骨への貯留時間が短いことなど、既存の骨粗鬆症治療薬である骨標的型骨吸収阻害剤とは異なる分子機構と動態を示すため、副作用の軽減が期待 |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
シクロデキストリン/キャリア/ナノ粒子/微生物学/リン酸/微生物/骨転移/分子機構/モデルマウス/骨細胞/歯学/DDS/マウス/ラット/骨吸収/骨粗鬆症/細胞生物学/阻害剤/破骨細胞/副作用/感染症/生体材料
研究のポイント
〇骨に適切な薬剤を届ける骨標的型ドラッグデリバリーシステム(DDS)は、未だに医薬品として出ておらず、有効で安全性の高い骨標的型DDSの開発が期待されています。〇本研究では、破骨細胞(骨を溶かす細胞)の骨吸収(骨を溶かす)活性を抑える機能と骨に薬剤を特異的に送り届ける機能を併せ持つDDSキャリア(リン酸化したシクロデキストリン)を開発しました。
〇リン酸化シクロデキストリンは、破骨細胞を殺さないことや骨への貯留時間が短いことなど、既存の骨粗鬆症治療薬である骨標的型骨吸収阻害剤とは異なる分子機構と動態を示すため、副作用の軽減が期待されます。
〇骨粗鬆症モデルマウスにリン酸化シクロデキストリンを投与すると、骨量減少が強力に抑えられました。
〇本成果は、リン酸化シクロデキストリンが、骨が溶ける広範な病気に対する副作用を軽減した薬物治療への有望なプラットフォームであり、今後の応用が期待されます。
研究概要
京都府立医科大学大学院医学研究科 細胞生物学 教授 吉澤達也、大阪歯科大学大学院歯学研究科 生化学 准教授 吉川美弘らの研究グループは、破骨細胞の骨吸収活性を抑える機能と骨に薬剤を特異的に送り届ける機能を併せ持つDDSを開発しました。本件に関する論文は、2026年2月16日付で科学雑誌「Journal of Controlled Release」に掲載されました。 本研究は、骨に薬剤を特異的に送り届ける機能を持つナノ粒子(リン酸化シクロデキストリン)を開発しました。さらに、このナノ粒子自体が破骨細胞による骨吸収を抑える機能を持つことを発見し、骨粗鬆症モデルマウスに投与すると実際に骨量減少を強力に防ぐことを確認しました。本研究成果は、骨に薬剤を届けながら骨吸収も抑えられる有望なプラットフォームを提供しており、幅広い骨が溶ける病気(骨粗鬆症・がんの骨転移・骨壊死・感染症など)に対する副作用を軽減した薬物治療への応用が期待されます。論文情報
掲載媒体名 Journal of Controlled Release発表媒体 オンライン速報版
雑誌の発行元国 オランダ
オンライン閲覧 可
URLhttps://doi.org/10.1016/j.jconrel.2026.114735
掲載日 2026年2月16日(日本時間) 論文タイトル(英・日)
英語:Bone-targeting β-cyclodextrin phosphate has anti-resorptive activity and thereby prevents osteoporosis
(日本語:骨標的型リン酸化β-シクロデキストリンは骨吸収活性を抑える機能を持ち骨粗鬆症を防止する) 代表著者
京都府立医科大学大学院医学研究科 細胞生物学吉澤達也
大阪歯科大学大学院歯学研究科 生化学 吉川美弘 共同著者
東京医科歯科大学生体材料工学研究所 有機生体材料学分野 田村篤志
熊本大学大学院生命科学研究部 製剤設計学分野東 大志
大阪歯科大学歯学部 生物学教室平井悠哉
大阪歯科大学歯学部 化学教室津田 進
朝日大学大学院歯学研究科 口腔微生物学堂前英資
金沢医科大学総合医学研究所谷口 真
大阪歯科大学大学院歯学研究科 生化学 池尾 隆
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京都府立医科大学 研究