光干渉断層撮影による口腔がんのがん細胞浸潤を可視化
-口腔がん3Dモデルにおけるがん細胞浸潤の非侵襲的・定量的評価の解析ツールとして期待-
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | 口腔がん細胞浸潤の非侵襲的・定量的評価を可能にし、繰り返し観察が行える有望なツールになることが期待 |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
3Dモデル/ニューラルネットワーク/機械学習/深層学習/がん研究/定量的評価/近赤外/赤外光/ニューラルネット/モニタリング/微細構造/細胞モデル/抵抗性/層構造/生体組織/コラーゲンゲル/治療抵抗性/浸潤/組織構築/微小環境/病理/病理学/口腔がん/歯学/腫瘍微小環境/線維芽細胞/組織再生/扁平上皮がん/in vitro/がん細胞/コラーゲン/ファージ/マクロファージ/間質細胞/近赤外光/細胞外マトリックス/細胞培養/上皮細胞/神経回路/立体構造/医師/非侵襲
2026年02月24日 火曜日
研究成果
本学医歯学総合病院口腔再建外科の羽賀健太歯科医師、本学大学院医歯学総合研究科生体組織再生工学分野の泉健次教授、同研究科口腔病理学分野の田沼順一教授らの共同研究グループと株式会社SCREENホールディングス(本社:京都市上京区)は、がん関連線維芽細胞を組み込んで腫瘍微小環境(注1)を再現した口腔がん3次元(3D)モデル(注2)に対し、光干渉断層撮影(OCT)(注3)を用いて口腔がん細胞の浸潤動態を可視化し、非侵襲的に観察することに成功しました。得られた画像について深層学習(注4)を行い、口腔がんの経時的浸潤動態を数値化しました。本システムは口腔がん細胞浸潤の非侵襲的・定量的評価を可能にし、繰り返し観察が行える有望なツールになることが期待されます。本研究成果は、2025年11月27日、学術誌『Scientific Reports』にオンラインで掲載されました。
研究のポイント
口腔がん3Dインビトロモデルにおいて、口腔扁平上皮がんの浸潤を可視化することができる光干渉断層撮影(OCT)と深層学習を組み合わせた手法の有効性を検証しました。高解像度なOCTイメージングにより、モデル内の組織構築としてがん細胞領域、浸潤がん細胞領域、間質層の3つの明確な領域を明瞭に可視化できることが明らかになりました。
本手法により、撮像した2次元のOCT画像から3次元画像を構築することで、定量的かつ経時的ながん細胞浸潤のモニタリングが可能となり、得られたがん細胞浸潤の指標とするパラメーターは口腔がん3Dモデルの組織形態計測データと高い相関を示しました。
OCTイメージングシステムが、口腔がん3Dモデルにおけるがん細胞浸潤の非侵襲的・定量的評価を行うための新たな解析ツールとなることが期待されます。
用語説明
(注1)腫瘍微小環境(がん関連線維芽細胞 含む)がん組織では、腫瘍微小環境(TME)というがん細胞とその周囲を取り巻くがん間質層の細胞成分(特にがん関連線維芽細胞(CAF)や腫瘍随伴マクロファージ)や細胞外マトリックス、および分泌因子などの非細胞成分を含む複雑な環境を形成し、がんの増殖、浸潤、転移、さらには治療抵抗性に深く関与しており、がん研究において多くの注目を集めている。
(注2)3Dインビトロモデル
間質細胞を埋没させたコラーゲンゲル上に上皮細胞を播種することで間質層と実質層からなる2層構造を付与することで口腔粘膜/皮膚の組織構造を模した細胞モデルである。培養過程で細胞の表面を空気に晒して細胞培養する、気相液相培養を用いることで立体構造を有する。
(注3)光干渉断層撮影(Optical Coherence Tomography)
近赤外光を用いて生体組織の断層画像を取得する非侵襲的なイメージング技術である。高解像度で組織の微細構造を観察でき、眼科や皮膚科、がん研究など幅広い分野で利用される。
(注4)深層学習
コンピューターがデータからパターンや規則を自動的に学習し、その知識を使って予測や判断を行う機械学習の一分野であり、人間の脳の神経回路を模した「ニューラルネットワーク」を多層にして用いる手法である。
研究内容の詳細
光干渉断層撮影による口腔がんのがん細胞浸潤を可視化-口腔がん3Dモデルにおけるがん細胞浸潤の非侵襲的・定量的評価の解析ツールとして期待-(PDF:932KB)論文情報
【掲載誌】Scientific Reports【論文タイトル】Quantitative and longitudinal monitoring of cancer cell invasion in a three-dimensional in vitro model of oral cancer using optical coherence tomography
【著者】Kenta Haga, Yoshifumi Kamimura, Manabu Yamazaki, Akinori Funayama, Yuko Saito, Masako Kida, Jun-ichi Tanuma, Kenji Izumi
【doi】10.1038/s41598-025-28471-y
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