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福島県立医科大学 研究Discovery Saga
2026年2月16日

原子力災害に伴う避難後の高齢者の認知機能低下と関連した災害関連死:症例報告

東南アジア諸国連合(ASEAN)地域学術誌「Asean Journal of Disaster Health Management」掲載(2025年11月) Indirect Disaster-related Death Associated with Cognitive Decline among Older People Following Evacuation During a Radiation Disaster: A Case Report

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
複合領域環境学工学医歯薬学
【Sagaキーワード】
原子力発電所/環境変化/原子力災害/健康リスク/原子力/原子力発電/健康影響/健康管理/身体機能/うつ/うつ病/高齢者/認知機能/放射線




山本 知佳(やまもと・ちか)
放射線健康管理学講座 助手
研究グループ
山本知佳、澤野豊明、尾崎章彦、藤健太、伊東尚美、山村桃花、堀有伸、趙天辰、坪倉正治
 

概要

論文掲載雑誌:「Asean Journal of Disaster Health Management」 (2025年11月19日)


背景:災害時、高齢者は避難に伴う環境変化に起因する間接的な健康影響に脆弱である。うつ病や認知機能低下に関する報告は存在するものの、原子力災害後の長期避難期における詳細な症例分析は限られている。
目的:本症例では、高齢者における避難が認知機能およびその後の健康悪化に及ぼす影響を検討することを目的とした。
方法:医療記録、避難関連資料、遺族への半構造化面接を分析した。これらの情報を統合し、時系列に整理して、長期にわたる避難が健康に与えた影響を評価した。
結果:福島第一原子力発電所事故後に避難した88 歳男性は、初回避難後にせん妄を発症し、自宅帰還で一時的に改善したが、再避難時に再び発症した。継続的な移動と繰り返される環境変化の中で、認知機能と身体機能は徐々に低下し、災害関連死に至った。
結論:本症例は、災害時の避難が高齢者の認知機能および全身状態に深刻な影響を及ぼし得ることを示す。とりわけ認知機能低下のリスクがある高齢者は、早期から継続的な医療・社会的支援を受けられる避難先へ速やかに移行する体制の整備が必要である。これらの対策は、今後の災害における高齢者の健康リスク軽減に不可欠である。(山本 知佳)
 

連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 医学部 放射線健康管理学講座
電話:大学代表024-547-1111(代)又は024-547-1891
FAX:大学代表024-547-1991(代)又は024-547-1889
講座ホームページ:https://www.fmu.ac.jp/education/medicine/department/houken/
メールアドレス:tsubo-m @fmu.ac.jp (スパムメール防止のため一部全角表記しています)