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筑波大学 研究Discovery Saga
2026年2月16日

多孔質グラフェンを用いた高性能全固体マグネシウム空気二次電池を開発

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
大容量で繰り返し充放電可能な二次電池は、電気自動車などの電化技術の中核になると期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学工学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
数理物理/フレキシブル/電解液/持続可能/持続可能な開発/電池/グラフェン/ポリマー/マグネシウム/リチウム/自動車/多孔質/炭素材料/電解質/電気自動車/二次電池
テクノロジー・材料


provided by Yoshikazu Ito

概要

入手が容易で安価なマグネシウム金属(負極)と多孔質グラフェン(正極)を組み合わせ、さらに塩化マグネシウムを含む電解液を固体化することで、液漏れを防ぐとともに塩化に強い耐性を持つ、高性能かつ繰り返し使用可能な全固体マグネシウム空気二次電池を開発しました。
 大容量で繰り返し充放電可能な二次電池は、電気自動車などの電化技術の中核になると期待されています。しかし、リチウムや白金などの高価な金属が使用されており、これらに代わる材料の探索が求められています。
 一方、マグネシウム空気二次電池は、炭素材料を正極、マグネシウムを負極、塩化マグネシウム含有した電解質とし、正極活物質の酸素を大気中から取り込むことで動作するため、安価に大容量電池を構成することができます。その理論的な性能はリチウム空気二次電池と同程度と考えられていますが、塩素イオンを含有するため、内部で塩化が起こり性能が低下するという課題があります。
 本研究では、塩化に強い耐性を持つ正極として、窒素元素を化学ドープした多孔質グラフェンを開発し、負極に市販のマグネシウム、電解質に塩化マグネシウムを浸み込ませた市販ポリマーゲルを用いた、全固体マグネシウム空気二次電池を作製しました。この電池は白金系電極を正極に使用した場合よりも高い性能を示しました。その理由として、塩化による劣化がほぼ起こらずグラフェンが正極として正常に機能し、また、グラフェンの多孔質構造が放電物質の貯蔵と反応物質の輸送を円滑にしたことが考えられます。さらに、電池具材を全固体化したことで、120度折り曲げた状態でも電解液漏れを起こさず初期性能を維持し、安全性やフレキシブル性が大きく向上しました。
 本成果は、二次電池の用途拡大や資源リスク分散に資する他、リチウム系二次電池以外の新たな選択肢を提示するものと期待されます。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学 数理物質系
伊藤 良一 教授

掲載論文

【題名】
Empowered rechargeable solid-state Mg-O2 battery using free-standing N-doped 3D nanoporous graphene
(窒素ドープ多孔質グラフェンを用いた全固体マグネシウム空気二次電池の開発)
【掲載誌】
Chemical Engineering Journal
【DOI】
10.1016/j.cej.2026.174076

関連リンク

数理物理系