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筑波大学 研究Discovery Saga
2026年2月14日

MHz帯・強磁場条件下で全磁化ヒステリシス測定を実現

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
次世代パワーエレクトロニクス機器の性能向上を支える基盤技術として、産業界への幅広い展開が期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学総合理工工学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
強磁場/磁化測定/高周波/磁場/磁性体/フェライト/磁化過程/電力変換/持続可能/材料特性/持続可能な開発/磁性材料/ヒステリシス/パワーエレクトロニクス/計測システム/高効率化/酸化物/実証実験
テクノロジー・材料

概要

 MHz帯かつ最大0.5テスラの強磁場条件下で、磁性材料の飽和に至るまでの全磁化ヒステリシスループ(磁力の変化過程)を高精度に測定できる新しい磁気計測システムを開発しました。この手法は、従来は測定が困難であった「大振幅・高周波条件下での磁化過程」を直接評価することができます。
 磁性材料の高周波特性は、電源回路やインダクタ、トランスなどの電力変換機器の高効率化・小型化・高周波化を実現する上で不可欠な指標です。しかし従来の計測手法では、強磁場を印加するために大きな電力や電圧が必要となる、あるいは磁場振幅が制限され初期磁化領域の評価にとどまるなど、実際のデバイス動作条件を十分に再現できないという課題がありました。
 本研究では、MHz帯かつ最大0.5テスラの強磁場条件下で、磁性材料の飽和に至るまでの全磁化ヒステリシス(M-H)ループ(磁性体に外部磁界を加えたときに生じる非可逆的な磁力の変化)を高精度に測定できる新しい磁気計測システムを開発しました。
 この計測システムは、MHz帯においても大振幅の交流磁場を安定して発生できる点が特長で、高周波条件下においても定量性と再現性の高い磁化測定を可能としました。
 実証実験として、市販Ni-Znフェライト(ニッケル・亜鉛・鉄の酸化物を主成分とする磁性材料)を用いた測定を行い、MHz帯において飽和磁化に至るまでの完全なM-Hループを取得できることを確認しました。本システムにより、これまで評価が困難であった高周波・大振幅条件下での磁性材料特性についても、磁化挙動を定量的に評価することが可能となります。材料開発段階での特性比較や設計指針の高度化に加え、次世代パワーエレクトロニクス機器の性能向上を支える基盤技術として、産業界への幅広い展開が期待されます。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学数理物質系
柳原 英人 教授

掲載論文

【題名】
A Magnetometer for Dynamic Full M-H Loop Measurements in the Megahertz Range.
(メガヘルツ帯における動的完全 M-H ループ測定用磁力計の開発)
【掲載誌】
IEEE TRANSACTIONS ON INSTRUMENTATION AND MEASUREMENT
【DOI】
10.1109/TIM.2026.3659653

関連リンク

数理物質系