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自然科学研究機構 分子科学研究所 研究Discovery Saga
2026年2月12日

第994回分子研コロキウム

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
MSIは無染色での分子可視化を実現し、次世代の診断ツールとして期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学数物系科学総合理工工学医歯薬学
【Sagaキーワード】
マルチモーダル/プログラミング/人工知能(AI)/トポロジー/データ解析/質量分析/計測技術/電子顕微鏡/分解能/空間分解能/代謝リプログラミング/MSI/放射線治療/ラット/リプログラミング/質量分析イメージング/脂質/脂質代謝/放射線/薬物動態

概要

演 題 「EPOCHメークを目指す先端共用顕微プラットフォーム」
日 時 2026年02月20日(金) 16:00
講演者 瀬藤光利 教授(浜松医科大学)
場 所
研究棟201室
概 要
本講演では、文部科学省「先端研究設備プラットフォーム」事業で培われた質量分析イメージング(MSI)技術の到達点と、現在我々が申請準備を進めている「先端研究基盤刷新事業 (EPOCH)」における新たな展開について論じる。
 MSIは無染色での分子可視化を実現し、次世代の診断ツールとして期待されている。我々は、特殊な「転写プレート」を用いたサンプリング手法の実用化により、従来困難であった凍結・含水試料の測定を可能にした。さらに最新の技術として、細胞サイズ以下の空間分解能(5 μm)を実現する「microGRID」技術や高感度質量顕微鏡(iMScope QT)を導入し、FLASH放射線治療における正常組織の保護メカニズム(脂質代謝リプログラミング)の可視化や、薬物動態(PK)の超高解像度解析に成功している。これらは、MSIが単なる画像化を超え、分子メカニズムに立脚した医学応用へ踏み込んでいることを示している。
 現在、我々はこれらの分子情報を、電子顕微鏡(細胞内超微形態)やPET(個体全身像)とシームレスに接続する「マルチモーダル解析」の確立を推進している。ここでは、異種データを統合するための数理的アプローチ(トポロジーや層の理論等)やAI解析が鍵となり、基礎原理に強い分子科学研究所との連携が不可欠であると考えている。
 現在、我々はこの技術開発と社会実装を加速させるため、企業のインカインド貢献(技術・人材)をテコにアカデミアの研究基盤を抜本的に刷新するEPOCH事業の構築を進めている。大学共同利用機関として日本の科学を牽引する分子科学研究所の皆様はご近所でもあり、この新しい産学官共用プラットフォームで計測技術・データ解析における深い連携を呼びかけたい。
お問合せ先
杉本 敏樹、岡崎圭一(2025年度コロキウム委員)