パナソニック ホームズと大阪大学大学院医学系研究科の共同研究が国際誌に掲載
室内温熱環境と血圧の季節変動に関する研究成果
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
2026-2-2●生命科学・医学系医学系研究科寄附講座教授中神 啓徳発表概要
パナソニック ホームズ株式会社と国立大学法人 大阪大学大学院医学系研究科の中神啓徳 寄附講座教授は、「室内温熱環境と血圧の季節変動」に関する共同研究を行い、その成果が国際的な医学専門誌『International Heart Journal』Vol.67 No.1 (2026年1月号)に掲載されました。研究の内容
本研究では、断熱性能や空調方式の異なる4世帯(計8名)を対象に、2024年7月から2025年6月までの1年間、室温・湿度、血圧、体表面温度などを測定し、季節変動や起床時の血圧変化との関連を調査しました。その結果、部屋ごとに空調する一般的な住宅では、秋季や冬季に室温が18℃を下回る時間帯があり、血圧が上昇するケースが見られました。一方、全館空調を備えた高断熱住宅では室温が安定し、血圧の季節変動が小さい傾向が確認されました。また、冬によく観察される起床時の血圧上昇は、寝床内と室内の温度差が大きいことで、起床時に体表面の温度が急激に下がることと関係しており、寝床内温度と室温の差が小さい住宅では、朝の血圧変動を抑えられる可能性が示唆されました。
居住者の住宅仕様と季節毎の起床時血圧の測定値
世界保健機関(WHO)では、冬季の居室温度を18℃以上に保つことを推奨しており※1、低温環境は高血圧や循環器疾患のリスクを高めるとされています。しかし、日本では約9割の家庭が冬季に室温18℃未満で生活していると指摘されています※2。近年、断熱性能や換気・空調技術の進化により高性能住宅が普及していますが、こうした住宅における室内温熱環境と血圧の季節変動の関係を検証した事例は限られており、科学的知見の拡充が求められています。こうした背景のもと、当社と大阪大学大学院医学系研究科が共同で研究を実施しました。
この成果は、住まいの温熱環境が健康に与える影響を示唆し、住宅環境の改善が血圧管理に役立つ可能性を示すものです。当社は、創業以来60年以上にわたり、健康で快適な暮らしの実現に向けた研究・開発に取り組んでおり、今後も科学的エビデンスに基づいた安心で心地よい住まいづくりを推進していきます。
共同研究の詳細
『断熱・換気空調性能の異なる住宅居住者における室内環境と家庭内血圧の季節変動の関係』

住宅仕様における季節毎の寝室温度と居住者の起床時血圧

起床時に血圧が高かったケースの居住者の体表面温度と室温
特記事項
◎掲載誌について『International Heart Journal』は、一般社団法人インターナショナル・ハート・ジャーナル(東京都)が発行する心血管医学分野の国際査読誌で、国際的に信頼性の高い学術誌です。1960年創刊以来、循環器疾患や心臓病学に関する臨床・基礎研究を幅広く扱い、世界中の専門医や研究者に読まれています。
公式サイト:https://square.umin.ac.jp/ihj/
◎論文掲載はこちら(『International Heart Journal』 Vol.67 No.1 (2026年1月号))
DOI:https://doi.org/10.1536/ihj.25-637
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大阪大学 研究