液滴が物体へ及ぼす「衝突力」の正体を解明柔らかい材料上で“液滴”が“固体球”のように振る舞う転移を初実証
~次世代3Dバイオプリンティングや塗布・洗浄の高度設計に新指針~
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | 独自開発の高速光弾性トモグラフィにより、衝突の瞬間に基板内部で時間経過に応じて広がっていく応力分布を可視化し、従来の荷重計では困難だった柔らかい基板に作用する液滴衝突力の直接計測に成功 |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
2026(令和8)年1月28日
東京農工大学
沖縄科学技術大学院大学学園(OIST)
科学技術振興機構(JST)
概要
東京農工大学 大学院工学研究院 先端機械システム部門の田川 義之 教授らの研究チームは、柔らかい基板に当たる液滴の最大衝突力が、「低粘度・高速で現れる慣性支配則」から、固体球の衝突で知られるHertz(ヘルツ)則へと連続的に移行(クロスオーバー)することを世界で初めて実証しました。独自開発の高速光弾性トモグラフィーで基板内部の応力分布と衝突力を直接計測し、液滴の粘性・慣性と基板の弾性をまとめる統一指標Zを初めて導入しました。結果、多様な条件のデータが1本のマスターカーブに重なることを示し、衝突力を事前に数式で見積もる設計地図を提示しました。これにより、インクジェット・電子材料塗布・化粧水ミスト・洗浄・バイオプリンティング・フードプリンティング・風力タービンブレードや各種コーティングの浸食予測などで、基板ダメージを抑えつつ狙い通りに付着・広がりを制御できる統一的な“物差し”が得られたともに、流体―固体相互作用の学術的理解の深化につながります。
本研究成果は、科学誌「Nature Communications」(現地時間2026年1月28日付)に掲載されました。
本研究は、JSPS 科研費 JP24H00289、JP24KJ2176、JP22KJ1239、JST 戦略的創造研究推進事業 さきがけ「“力”を既知とする新しい流体科学」(JPMJPR21O5)の支援を受けて行われました。
<プレスリリース資料>
本文 PDF(603KB)
<論文タイトル>
- “Scaling crossover in droplet impact force on elastic substrates”
- DOI:10.1038/s41467-025-67790-6
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