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京都大学 研究Discovery Saga
2026年1月23日

オタマジャクシの尾はヤゴがいると赤くなる

―相手に応じて変わるアマガエル幼生の対捕食者戦略―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
農学
【Sagaキーワード】
カエル
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

カエルの幼生であるオタマジャクシは、多様な捕食者にさらされる中で、その身を守るために姿や体色を柔軟に変化させることが知られています。野外では、尾の色が変化したオタマジャクシが観察されることがありますが、こうした変化の生じる理由、とくにそれがどのような捕食者に応答したものかについては、十分に調べられてきませんでした。
 野田叡寛 理学研究科博士課程学生および渡辺勝敏 同教授の研究グループは、ヒガシニホンアマガエルの幼生を、トンボの幼虫(ヤゴ)やその他の水生昆虫、イモリなど異なる捕食者とともに飼育し、幼生の形態や体色の変化を比較しました。その結果、ヤゴ、とりわけギンヤンマ類の存在によって尾が鮮やかな橙色になり、一方、他の水生昆虫やイモリではそのような変化を生じないことが明らかになりました。本研究は、オタマジャクシが捕食者の特徴に応じて柔軟に姿を変える可能性を示したものであり、今後はこうした変化が捕食回避にどのような役割を果たすのか、また他のカエルにも共通する現象なのかを明らかにすることが期待されます。
 本研究成果は、2025年12月23日に、国際学術誌「Ichthyology & Herpetology」にオンライン掲載されました。
画像

通常のヒガシニホンアマガエル幼生(上)とヤゴによって尾が橙色に変化した幼生(下)(撮影:野田叡寛)

研究者のコメント
「数千匹のオタマジャクシを同時に飼育し、彼らの姿を継続的に記録する作業は簡単ではありませんでした。その分、野外で観察されていた鮮やかな体色の変化を実験室内でも誘導できたときには、その美しさに改めて驚かされました。アマガエルという身近な生き物であっても、まだ分かっていないことは多くあります。本研究を通して、生き物やその研究に興味を持っていただけたら嬉しく思います。」(野田叡寛)

詳しい研究内容について

オタマジャクシの尾はヤゴがいると赤くなる―相手に応じて変わるアマガエル幼生の対捕食者戦略―

研究者情報

研究者名 野田 叡寛 Researchmap 研究者名 渡辺 勝敏
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1643/h2025005

【書誌情報】
Akihiro Noda, Katsutoshi Watanabe (2025). Predator-Induced Tail Coloration Toward Diverse Dragonfly Nymphs in Tadpoles of the East Japan Tree Frog (Dryophytes leopardus).Ichthyology & Herpetology, 113, 4, 779-794.

関連部局

理学部・理学研究科