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東北大学 研究Discovery Saga
2026年1月21日

骨細胞のリポカリン-2が破骨細胞形成を促進

―矯正歯科治療時の低酸素環境による骨代謝を制御の解明に一歩―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
矯正学的歯の移動のコントロールや骨細胞をターゲットにした新しい治療法開発につながることが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
生物学工学総合生物医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
塩基配列/持続可能/持続可能な開発/鉄代謝/シークエンス/関節/骨細胞/歯学/RANKL/RNA/リウマチ/関節リウマチ/骨吸収/骨粗鬆症/骨代謝/低酸素/破骨細胞/免疫応答/サイトカイン/遺伝子/遺伝子発現/次世代シークエンス
2026年1月21日 11:00

研究者情報

〇東北大学大学院歯学研究科
顎口腔矯正学分野
准教授 北浦英樹
研究室ウェブサイト

発表のポイント

矯正歯科治療では、歯を動かす際に歯の周囲の骨に「低酸素環境」が生じますが、骨代謝に与える影響は未解明でした。
遺伝子発現を網羅的に解析するRNAシーケンス(注1)を用いて、低酸素環境下の骨細胞の遺伝子発現の全容を世界で初めて明らかにしました。
低酸素環境下において骨細胞が分泌するリポカリン-2(Lipocalin-2:LCN2)(注2)が、骨細胞を介し破骨細胞形成を促進していることを明らかにしました。
本研究成果は、矯正学的歯の移動のコントロールや骨細胞をターゲットにした新しい治療法開発につながることが期待されます。

発表概要

歯を動かす矯正歯科治療では、歯の周囲の血管が圧迫され、周囲の骨に酸素が不足する状態(低酸素環境)が生じます。骨粗鬆症や関節リウマチなどの病的環境でも同様な低酸素環境が生じることが知られています。しかし、このときの低酸素環境が骨の代謝にどのように影響を与えているかはこれまで十分に理解されていませんでした。
東北大学大学院歯学研究科顎口腔矯正学分野の成田昂平学術振興会特別研究員(DC2)、大堀文俊助教、北浦英樹准教授らの研究グループは、低酸素環境下の骨細胞においてリポカリン-2(Lipocalin-2:LCN2)が高い発現を示すことを確認しました。さらに、LCN2が骨細胞において破骨細胞誘導因子であるRANKL(注3)の発現の増加をさせ、破骨細胞形成を促進することを見出しました。本研究の成果は、LCN2を介した矯正学的歯の移動のコントロールや病的な骨吸収の制御に役立てられることが期待できます。
この研究成果は、2026年1月6日(日本時間)にScientific Reports に掲載されました。



図1. 低酸素培養した際の骨細胞のRNAシーケンス解析

用語解説

注1. RNAシーケンス
遺伝子の塩基配列を高速に解析する次世代シークエンスを用いて遺伝子の発現量を網羅的に解析する手法。
注2. リポカリン-2(Lipocalin-2:LCN2)
炎症や代謝調節に関与するタンパク質で、免疫応答や鉄代謝にも関係することが報告されている。
注3. RANKL
Receptor activator of nuclear factor kappa-Β ligand 破骨細胞形成に必須のサイトカイン。これが増加すると破骨細胞が形成され、骨の吸収が増加することが知られている。

論文情報

タイトル:Lipocalin-2 upregulation in hypoxic murine osteocytes enhances RANKL-induced osteoclastogenesis
著者:Kohei Narita, Fumitoshi Ohori, Aseel Marahleh, Jinghan Ma, Jiayi Ren, Angyi Lin, Ziqiu Fan, Kou Murakami, Hideki Kitaura*
*責任著者:東北大学大学院歯学研究科顎口腔矯正学分野 准教授 北浦英樹
掲載誌:Scientific Reports
DOI:10.1038/s41598-025-34575-2

詳細(プレスリリース本文)

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
顎口腔矯正学分野
准教授 北浦英樹
TEL: 022-717-8374
Email: hideki.kitaura.b4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
広報室
TEL: 022-717-8260
Email: den-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)






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