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北海道大学 研究Discovery Saga
2026年1月14日

小児肝がん(肝芽腫)の新たな分子機構を解明

~ヒトiPS細胞由来モデルを用いて、肝芽腫の新規治療標的PAGE4を同定~(医学研究院教授 谷口浩二)

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
PAGE4が肝芽腫の増殖・生存を促進することを明らかにし、新たな治療標的としての応用に期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
医歯薬学
【Sagaキーワード】
機能解析/iPS細胞/がん免疫/がん免疫療法/遺伝子発現解析/肝がん/治療標的/発現解析/網羅的遺伝子発現解析/分子機構/β-catenin/悪性腫瘍/発がん/免疫療法/アポトーシス/抗原/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/遺伝子変異/小児/網羅的解析

2026年1月14日

発表のポイント

●ヒトiPS細胞由来肝芽細胞を用いた新規肝芽腫モデルの構築に成功。
●β-cateninとYAPの同時活性化により誘導される新規因子PAGE4を同定。
●PAGE4が肝芽腫の増殖・生存を促進することを明らかにし、新たな治療標的としての応用に期待。

発表概要

北海道大学大学院医学研究院の谷口浩二教授、武冨紹信教授及び同大学大学院医学院博士課程の河北一誠氏らの研究グループは、ヒトiPS細胞由来肝芽細胞を用いた新規肝芽腫モデルを構築し、小児肝がん(肝芽腫)の進展に関与する新規分子PAGE4(Prostate-Associated Gene 4)を同定しました。
肝芽腫は小児に発生する代表的な肝悪性腫瘍であり、多くの症例でβ-cateninの活性型変異が認められる一方、遺伝子変異数が極めて少なく、発がんの分子機構は十分に解明されていませんでした。本研究では、ヒトiPS細胞由来肝芽細胞にβ-catenin及びYAPの活性型を導入することで、ヒトにおける肝芽腫発生過程を模倣した新規肝芽腫モデルを確立しました。
網羅的遺伝子発現解析及び機能解析の結果、PAGE4がβ-cateninとYAPの同時活性化により強く誘導され、肝芽腫細胞の増殖促進及びアポトーシス抑制に寄与することが明らかになりました。PAGE4は正常成人組織ではほとんど発現しないがん特異的抗原であり、将来的ながん免疫療法の治療標的としての応用が期待されます。
なお、本研究成果は、2025年10月16日(木)公開のBiochemical and Biophysical Research Communications誌に掲載されました。
論文名:PAGE4, upregulated in a novel iPSC-derived hepatoblastoma model, promotes hepatoblastoma progression(ヒトiPS細胞由来肝芽腫モデルを用いて同定されたPAGE4は肝芽腫の進展を促進する)
URL:https://doi.org/10.1016/j.bbrc.2025.152824
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ヒトiPS細胞由来肝芽細胞にβ-catenin及びYAPを活性化することで肝芽腫様細胞を誘導し、網羅的解析により同定されたPAGE4が肝芽腫の増殖と生存を促進することを示した。