インフルエンザウイルスの変異予測・ワクチン設計に道
――集団内の「潜在的変異プール」を単一分子ゲノム解析で可視化――
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | インフルエンザのみならず、多様なRNAウイルスの進化メカニズムの理解や、AIを用いた変異予測・ワクチン株選定の高度化に貢献することが期待 |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
掲載日:2026年1月7日
概要
東京大学大学院工学系研究科の玉尾研二大学院生、東京大学大学院工学系研究科(兼)プラネタリーヘルス研究機構 野地博行教授、田端和仁准教授の研究グループは、インフルエンザウイルス集団の内部に潜む遺伝子多様性を、単一RNA分子レベルで高精度に計測できる新しいゲノム解析法を確立しました。本研究では、ウイルスRNAから合成したDNAにユニーク分子識別子(UMI)を用いて、シーケンス由来の誤りを劇的に低減しました。その結果、1塩基当たり10-5程度という極めて低い誤り率で、インフルエンザウイルス集団内の変異分布を測定することに成功しました。
この手法を、1個のインフルエンザウイルス粒子から増殖させたウイルス集団に適用したところ、同じ株由来であっても、集団中には1つの配列を中心として多数の少数変異体が広がって存在していること、その一部はランダム変異では説明できない頻度で蓄積していることが分かりました。さらに、情報理論に基づく解析によって、こうした多様性がウイルスの進化ポテンシャルを定量的に評価できることを示しました。
本成果は、インフルエンザのみならず、多様なRNAウイルスの進化メカニズムの理解や、AIを用いた変異予測・ワクチン株選定の高度化に貢献することが期待されます。
リリース文書 (PDFファイル: 1010KB)
eLife HP

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