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京都大学 研究Discovery Saga
2026年1月6日

ブラックホール誕生の瞬間を超新星で視る

―周期的な明るさの変動を示す超新星の発見―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学
【Sagaキーワード】
周期性/すばる望遠鏡/ブラックホール/恒星/新星/太陽/大質量星/超新星/超新星爆発/突発天体/望遠鏡/連星
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

前田啓一 理学研究科教授を中心とした国際研究グループは、京都大学せいめい望遠鏡・国立天文台すばる望遠鏡などによる超新星の観測を通して、ブラックホール形成の際に超新星爆発が起こり得ること、そのような超新星は特別な性質をもった「Ic-CSM型」超新星になることを明らかにしました。
 太陽の数十倍以上の質量をもつ大質量星は、生涯の最期に自分自身の重力によってつぶれてしまい、ブラックホールを形成すると考えられています。強い重力のため、星の外層の放出を伴う超新星爆発は起こらず、このような現象は明るく輝くことは無いと考えられてきました。本研究グループは、せいめい望遠鏡・すばる望遠鏡による観測から、超新星SN2022esaが特異なタイプの「Ic-CSM型」超新星であると特定しました。また、その光度曲線の解析から、超新星において過去数例しか知られていない周期的な光度変動を発見しました。これらの結果から、ブラックホール形成に伴いIc-CSM型と呼ばれる特異なタイプの超新星爆発が発生することがあることを明らかにしました。本研究結果は、ブラックホール誕生の瞬間を光で観測できる可能性を示したもので、ブラックホールの起源解明に向けた重要な成果です。
 本研究成果は、2025年12月30日に、国際学術誌「Publications of the Astronomical Society of Japan Letters」に掲載されました。
画像

超新星SN2022esaの想像図。超新星爆発を起こした星は、もともとは太陽の数十倍の質量をもっていた星が、激しい恒星風により外層を失い、炭素・酸素からなる中心部がむき出しになったウォルフ・ライエ星であったと考えられる。もう一つのウォルフ・ライエ星またはブラックホールと連星をなし、連星の公転運動に伴い、等間隔に連なるリング状の星周構造を作ったと考えられる。©前田啓一

研究者のコメント
「超新星の明るさの周期的変化は、これまでほとんど例がありません。今回、きれいな周期性があることを発見した際には驚きましたが、連星ブラックホール形成へとつながる進化過程という理論解釈を思いつき、むしろ周期性は見えて当然であったと今では思っています。今後も、せいめい望遠鏡による即時分光、すばる望遠鏡による高感度分光を組み合わせた手法により、様々な超新星や突発天体の起源に迫っていきたいと考えています。」(前田啓一)

詳しい研究内容について

ブラックホール誕生の瞬間を超新星で視る―周期的な明るさの変動を示す超新星の発見―

研究者情報

研究者名 前田 啓一
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1093/pasj/psaf140

【書誌情報】
Keiichi MAEDA, Hanindyo KUNCARAYAKTI, Takashi NAGAO, Miho KAWABATA, Kenta TAGUCHI, Kohki UNO, Kishalay DE (2025). Peculiar SN Ic 2022esa: An explosion of a massive Wolf–Rayet star in a binary as a precursor to a BH–BH binary?Publications of the Astronomical Society of Japan, psaf140.

関連部局

理学部・理学研究科