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名古屋大学 研究Discovery Saga
2026年1月6日

旧石器時代の未知の石材産地をヨルダンに発見

~ホモ・サピエンスの文化進化を資源利用から解明へ~

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学複合領域環境学数物系科学生物学工学農学
【Sagaキーワード】
情報システム/フィールド調査/資源利用/地理情報システム/地球科学/学際研究/地質学/旧石器時代/人類進化/地球環境/地理情報/ユーラシア



人文学
2026.01.06

研究のポイント

・中東ヨルダンにおける旧石器時代注1)の人類が、石器づくりのために希少な石材産地を利用していたことを明らかにした。
・考古学と地球科学、地理学の研究者が協働し、ヨルダン国南部でフィールド調査と石材の分析、地理情報システムによる解析など多面的な学際研究を行った。
・中東は、ホモ・サピエンスがアフリカからユーラシアに拡散した拠点である。そこでホモ・サピエンスが数万年のあいだに行動や文化をどのように変化させたのかについて、石材などの資源利用という観点から明らかにされることが本研究の成果から期待される。
 
名古屋大学博物館・大学院環境学研究科の門脇 誠二 教授と束田 和弘 准教授、廣瀬 允人 研究員、名古屋大学大学院環境学研究科の村瀬 早紀 博士後期課程学生らの共同研究グループは、モンゴル自然史博物館、総合地球環境学研究所、奈良文化財研究所、ヨルダン考古局・観光局との共同研究で、旧石器時代の人類が、これまで未知の希少な産地から石器石材を得ていたことを明らかにしました。
本研究は、考古学と地球科学、地理学の研究者が協働し、中東のヨルダン国においてフィールド調査を行い、石材産地の発見や地質学的記録、石材の岩石学的分析、石材産地までの移動コスト解析など多面的な学際研究を行いました。
中東地域は、私達ホモ・サピエンスの祖先がアフリカからユーラシアに拡散した拠点でした。そこでホモ・サピエンスが数万年のあいだに行動や文化をどのように変化させたのかについて、石材などの資源利用という観点から明らかにされることが本研究の成果から期待されます。
本研究成果は、2026年1月5日付Springer Nature社(ドイツ・イギリス)の科学誌『Landscape Ecology』にオンライン公開されました。
 
◆詳細(プレスリリース本文)はこちら
 

用語説明

注1)旧石器時代:
人類が打製石器を用い始めた約300万年前から、約1万年前までの時代。野生の動植物を食料とする狩猟採集の生活が行われていた。この長期間のあいだにいわゆる「猿人→原人→旧人→新人(ホモ・サピエンス)」の人類進化があった。本研究の対象時代は、旧人の最後と新人の段階に相当する。
 

論文情報

雑誌名:Landscape Ecology
論文タイトル:Paleolithic exploitation of scarce chert sources in the sandstone canyons of the Hisma Basin, southern Jordan
著者:Seiji Kadowaki(門脇誠二)1, Kazuhiro Tsukada(束田和弘)1, Manchuk Nuramkhaan2, Yasuhisa Kondo(近藤康久)3,4, Masato Hirose(廣瀬允人)1,4, Eiki Suga(須賀永帰)5, Saki Murase(村瀬早紀)6, and Sate Massadeh 7

1 名古屋大学博物館、2 モンゴル自然史博物館、3 総合地球環境学研究所、4 総合研究大学院大学、5 奈良文化財研究所、6 名古屋大学大学院環境学研究科、7 ヨルダン観光局
 
DOI: 10.1007/s10980-025-02285-9
URL:https://link.springer.com/article/10.1007/s10980-025-02285-9
 

研究代表者

名古屋大学博物館/大学院環境学研究科 門脇 誠二 教授 
https://www.num.nagoya-u.ac.jp/outline/staff/kadowaki/laboratory/index.html