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島根大学 研究Discovery Saga
2025年12月25日

堀之内准教授らの造成海草藻場魚類群集に関する論文が国際学術誌Ichthyological Researchの編集長推薦論文に選出されました【エスチュアリー研究センター】

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
複合領域環境学工学農学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
持続性/沿岸生態系/海草藻場/持続可能/沿岸環境/持続可能な開発/沿岸域/生態系/群集構造/漁業/生態学/生物多様性

公開日 2025年12月25日
 

  

概要

アマモやウミショウブなどの海草類が形成する群落を海草藻場と呼びます。海草藻場は多様な魚介類が利用する場所であり、沿岸生態系の高い生物多様性の維持や地域漁業に重要です。しかし近年、海草藻場の衰退・消滅が世界中の多くの場所で起こっています。海草藻場造成は天然海草藻場の喪失を補填し、劣化した沿岸環境の修復に寄与する手段の一つですが、一般の地域住民が造成を行う場合には潮間帯が造成場所として適しています。そこでエスチュアリー研究センターの堀之内正博准教授が率いる研究グループはタイ南部トランの潮間帯砂泥地に面積が異なるEnhalus acoroides海草藻場を造成し、出現する魚類群集構造を目視観察で調べ、造成海草藻場の群集構造が天然海草藻場のそれと同様になるのか検討しました。
 その結果、面積によって要する時間は異なるが最終的にはすべてのサイズの造成海草藻場における魚類群集の構造は潮間帯天然海草藻場のそれとかなり似てくることなどがわかりました。潮間帯の造成海草藻場は天然海草藻場と同様、多様な魚類に重要な役割を果たすようになりうることから、潮間帯での海草藻場造成は劣化した沿岸域生態系の回復に大きく寄与することが示唆されます。ただし、潮間帯砂泥地も漁業対象種の稚魚を含む独自の構造を持つ魚類群集が利用していますので、安易な造成は沿岸生態系全体の多様性や地域漁業の持続性に負の作用を及ぼします。今後、魚類群集の構造に影響を与える様々なファクターを考慮しつつ研究を進め、適切な海草藻場造成デザインを明らかにしていく必要があります。
 本研究成果をまとめた国際共著論文が魚類生態学の分野に特に顕著な貢献をしているとして2025 Editor's Choice Article by the Editorial Board of the Ichthyological Society of Japanの一つに選出されました。
https://link.springer.com/journal/10228/updates/19916716
 
▶ 論文タイトルおよび著者:
Fish assemblage structures in planted seagrass habitats, compared with natural seagrass habitats: a field experiment in an intertidal bay in Trang, southern Thailand
Masahiro Horinouchi, Prasert Tongnunui, Patcharee Kaeoprakan, Parichat Hukiew, Keisuke Furumitsu, Koetsu Kon, Yohei Nakamura, Kouki Kanou, Atsuko Yamaguchi, Ken Okamoto & Mitsuhiko Sano 
▶ 掲載誌:
Ichthyological Research, Volume 72, pages 426–451, November 2025.
▶ 論文リンク:
Fish assemblage structures in planted seagrass habitats, compared with natural seagrass habitats: a field experiment in an intertidal bay in Trang, southern Thailand |Ichthyological Research



造成海草藻場に出現した稚魚