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名古屋大学 研究Discovery Saga
2025年12月22日

花をつくる新メカニズム「フロリゲン・リレー」の発見

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
フロリゲンは植物の環境適応から農業生産まで極めて重要な役割を果たしていることから、その発生学的な働きを解明することで幅広い領域への貢献が期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
生物学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
維管束/環境適応/フロリゲン/イネ/発生学/サイトカイニン



数物系科学
2025.12.22

研究のポイント

・フロリゲンが花をつくる新しいメカニズム「フロリゲン・リレー」を発見した
・フロリゲンが花をつくる際の詳細な分布を高精細に明らかにした
・フロリゲンとサイトカイニンの拮抗的な関係を明らかにした
 
横浜市立大学木原生物学研究所 佐藤萌子さん(研究当時:生命ナノシステム科学研究科 博士後期課程[2022年3月博士(理学)])と、辻 寛之教授(名古屋大学生物機能開発利用研究センター 教授兼任)らの研究グループは、信州大学理学部 坂本勇貴助教、農研機構 生物機能利用研究部門 遠藤真咲上級研究員、東京大学大学院新領域創成科学研究科 松永幸大教授との共同研究で、フロリゲン*1が花をつくる新しいメカニズム「フロリゲン・リレー」を発見しました(図1)。本研究成果は植物が花をつくるしくみの理解を大きく深め、植物の改良を加速させます。
本研究成果は、米国の科学誌「Science Advances」に掲載されました(日本時間2025年12月20日午前4時)。
 
◆詳細(プレスリリース本文)はこちら
 

用語説明

*1 フロリゲン:茎頂メリステムで成長相転換を引き起こす因子。イネではHd3aと呼ばれる球状のタンパク質である。フロリゲンは植物が花をつけるのに適した季節を認識すると葉で合成され、維管束を通って茎の先端まで輸送され、茎頂メリステムにたどり着くと成長相転換を引き起こす。フロリゲンは植物の環境適応から農業生産まで極めて重要な役割を果たしていることから、その発生学的な働きを解明することで幅広い領域への貢献が期待されている。
 

論文情報

タイトル:Florigen and cytokinin signaling antagonistically regulate FLOWERING LOCUS T-LIKE1 to drive a florigen relay that facilitates inflorescence development in rice
著者:
佐藤萌子(横浜市立大学木原生物学研究所 大学院生 2022年3月博士(理学):研究当時)
坂本勇貴(信州大学理学部 助教)
田中真理(横浜市立大学木原生物学研究所 技術補佐員)
井藤 純(横浜市立大学木原生物学研究所 特任助教)
野村有子(横浜市立大学木原生物学研究所 技術補佐員)
森下友梨香(名古屋大学大学院生命農学研究科 大学院生)
田岡健一郎(横浜市立大学木原生物学研究所 特任助教)
三上雅史(横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科 大学院生:研究当時)
遠藤真咲(農研機構 生物機能利用研究部門 上級研究員)
北野英己(名古屋大学生物機能開発利用研究センター 名誉教授)
松永幸大(東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授)
辻 寛之(横浜市立大学・木原生物学研究所 教授、名古屋大学生物機能開発利用研究センター 教授)
掲載雑誌:Science Advances
DOI:10.1126/sciadv.adv1424
URL:https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adv1424
 

研究代表者

物機能開発利用研究センター 辻 寛之 教授
https://hiroyukitsuji.tumblr.com/