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筑波大学 研究Discovery Saga
2025年12月3日

遺伝情報を含まない塩基配列「イントロン」に富んだ真核ゲノムを発見

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
真核生物におけるイントロンの役割を探る上で重要な手掛かりとなると期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
生物学工学農学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
遺伝情報/塩基配列/核ゲノム/持続可能/持続可能な開発/イントロン/ゲノム配列/反復配列/次世代シーケンサー/RNA/細胞核/ゲノム/遺伝子
生物・環境


(provided by Yoshihisa Hirakawa)

概要

海産の単細胞性藻類であるクロララクニオン藻の一種で核ゲノム配列の解読を行ったところ、配列全体の約75%がイントロン(通常はRNAに転写された後に除去されるため遺伝情報を含まない配列)で構成されており、既知の真核ゲノムの中で最もイントロンに富んでいることが分かりました。
 高速かつ低コストに大量のDNA配列を決定できる次世代シーケンサーの普及により、多様な系統の生物種でゲノム配列の解読が盛んに行われています。また、長いDNA断片の配列決定が可能なロングリードシーケンス技術の発達により、反復配列を含む巨大なゲノムの解読も可能になっています。
 本研究では、このロングリードシーケンス技術を用いて、海産の単細胞性藻類であるクロララクニオン藻の一種Amorphochlora amoebiformisA. amoebiformis)について核ゲノム(細胞核内にあるゲノム)配列の解読を行いました。配列決定した約2億塩基対の核ゲノムには約1万7千の遺伝子がコードされていましたが、ゲノム配列中でイントロン(通常はRNAに転写された後に除去されるため遺伝情報を含まない配列)が占める割合は74%で、他の真核生物のゲノムと比較しても極端に高い割合であることが分かりました。クロララクニオン藻の近縁種ではイントロンの割合が30%程度であることから、A. amoebiformisの核ゲノムでは、進化の過程で独自にイントロンの増大が起きたことが推察されました。イントロンが増大した理由は今のところ不明ですが、本研究結果は真核生物におけるイントロンの役割を探る上で重要な手掛かりとなると期待されます。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学生命環境系
平川 泰久 助教

掲載論文

【題名】
Nuclear genome sequencing reveals the highly intron-rich architecture of the chlorarachniophyte algaAmorphochlora amoebiformis
(クロララクニオン藻Amorphochlora amoebiformisのイントロンに富んだ核ゲノム配列の解読)
【掲載誌】
DNA Research
【DOI】
10.1093/dnares/dsaf035

関連リンク

生命環境系