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科学技術振興機構 研究Discovery Saga
2025年12月1日

持続可能な触媒反応の実現に新たな一歩有機ガリウムの光駆動レドックス反応を開発

~典型元素を基盤とする新規触媒設計への道を拓く~

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
化学工学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
π電子/典型元素/ジエン/光反応/酸化還元反応/触媒反応/電子移動/アミン/触媒設計/遷移金属/可視光/持続可能/還元反応/光照射/機能性材料/酸化還元/機能材料/機能性/レドックス/配位子

2025(令和7)年11月28日
大阪大学
科学技術振興機構(JST)

発表のポイント

d軌道が反応に関与しないため、価数変化を伴う反応の制御は難しいと考えられてきた典型元素である有機ガリウム種が、光照射によって遷移金属のような酸化還元反応性を示すことを実証
この反応により、医薬品や機能性材料に用いられるフェニレンジアミンの合成にも成功
希少な遷移金属を用いず、豊富に存在する典型元素を活用した、持続可能な触媒反応の実現に向けた新指針を提示

大阪大学 大学院工学研究科の大学院生・向井 虹渡 さん(博士後期課程)、兒玉 拓也 助教、鳶巣 守 教授らの研究グループは、典型元素である有機ガリウム種が光照射によって遷移金属のような2電子酸化還元反応を示すことを明らかにしました。
これまで、遷移金属はd軌道と呼ばれる電子の軌道を活用して電子を可逆的に授受できるため、多彩な酸化還元(レドックス)反応の触媒として活用されてました。一方、典型元素はd軌道が反応に関与しないため、価数変化を伴う反応の制御は難しいと考えられてきました。
研究グループはこの課題を克服するため、電子を一時的に保持・授受できるレドックス活性配位子の1種である「フェナレニル(Phenalenyl)型配位子」を開発し、さらに可視光を利用して電子移動を駆動する新しい戦略を採用しました。その結果、13族元素である3価ガリウム種が可視光照射によって1価へと可逆的に変化することを世界で初めて実証しました。さらに、この反応を1,3-ジエンとイソシアニドの反応に応用することで、医薬・機能性材料の基本骨格であるフェニレンジアミンを合成する新しい光反応の開発にも成功しました。本成果は、希少で高価な遷移金属に代わる、典型元素を活用した持続可能な触媒反応の実現に向けた重要な一歩となります。
本研究成果は、米国科学誌「Journal of the American Chemical Society」に、2025年11月28日(金)(日本時間)に公開されました。
本研究は、科学技術振興機構(JST) 創発的研究支援事業「典型元素とπ電子の協奏が拓く革新的物質機能材料創成」(課題番号:JPMJFR236I)および日本学術振興会(JSPS) 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)「炭素資源変換を革新するグリーン触媒科学」(課題番号:JP23H04901)の一環として行われました。

<プレスリリース資料>


本文 PDF(534KB)

<論文タイトル>

“Synthesis of Phenylenediamines via (4+1+1) Photocycloaddition of 1,3-Dienes and Isocyanides Enabled by a Gallium(I)/(III) Redox: The Key Role of a Phenalenyl-Based Ligand”
DOI:10.1021/jacs.5c15802

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