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科学技術振興機構 研究Discovery Saga
2025年11月27日

量子コンピュータの規模と計算速度のジレンマを解消

~誤り耐性量子計算のコストを大幅に削減する新提案~

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
世界的に開発が進む量子コンピュータの誤り耐性化コストを大幅に低減し、その実現を加速させる基盤技術としての幅広い応用が期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学数物系科学総合理工医歯薬学
【Sagaキーワード】
低密度パリティ検査符号/連接符号/機械学習/量子計算/量子コンピュータ/量子情報/量子情報処理/ノイズ/量子ビット/異分野融合

2025(令和7)年11月26日
東京大学
Nanofiber Quantum Technologies, Inc.
科学技術振興機構(JST)

発表のポイント

大規模な量子コンピュータの実現には、エラーを訂正しながら計算を進める誤り耐性量子計算の仕組みが不可欠です。しかし、その実装において、使用する量子ビット数(規模)の増大と計算速度の低下を同時に抑えることは両立困難な課題とされてきました。
本研究では、2種類の量子エラー訂正符号を組み合わせたハイブリッド誤り耐性方式を提案しました。この方式により、量子コンピュータの規模の増大と計算速度低下のジレンマを解消し、両者を同時に抑制できることを理論的に証明しました。
この成果は、世界的に開発が進む量子コンピュータの誤り耐性化コストを大幅に低減し、その実現を加速させる基盤技術としての幅広い応用が期待されます。

東京大学 大学院工学系研究科の田宮 志郎 客員研究員と小芦 雅斗 教授、および同大学 大学院情報理工学系研究科の山崎 隼汰 准教授は、誤り耐性型量子コンピュータの性能を左右する規模と計算速度のジレンマを解消する新しい理論を確立しました。
量子コンピュータの計算に用いる量子ビットは、ノイズの影響を受けやすいことが知られています。そのため量子エラー訂正符号という技術でエラーから量子ビットを守りながら計算を進めることが不可欠です。しかし、従来の方式では、使用する符号の種類によって規模か計算速度のどちらかを犠牲にする必要があり、両立が困難でした。そこで本研究では、情報の保持効率に優れた量子低密度パリティ検査符号と、演算の実行に適した連接符号を組み合わせたハイブリッド方式を提案しました。また、この方式の解析のために「部分回路縮約」という手法を新たに開発しました。この手法を用いることで、本方式が、使用する量子ビット数の増大を大幅に抑えつつ、計算速度の低下も従来手法と同レベルに抑えられることを厳密に証明しました。この成果は、実用的な量子コンピュータ実現のハードルを下げる道筋を示すもので、世界的な開発競争が続く量子コンピュータの新たな設計指針となることが期待されます。
本研究成果は2025年11月26日(現地時間)付で「Nature Physics」に掲載されました。
本研究は、科学技術振興機構(JST) ムーンショット型研究開発事業 ムーンショット目標6「2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現」(プログラムディレクター(PD):北川 勝浩 大阪大学 量子情報・量子生命研究センター センター長) 研究開発プロジェクト「誤り耐性型量子コンピュータにおける理論・ソフトウェアの研究開発」(プロジェクトマネージャー(PM):小芦 雅斗 東京大学 大学院工学系研究科 教授(課題番号:JPMJMS2061)、および同 戦略的創造研究推進事業 さきがけ「革新的な量子情報処理技術基盤の創出」研究領域(研究総括:富田 章久)における研究課題「高速な量子機械学習の基盤構築」(課題番号:JPMJPR201A)および「量子・古典の異分野融合による共創型フロンティアの開拓」研究領域(研究総括:井元 信之)における研究課題「高速な定数空間オーバーヘッド誤り耐性量子計算の理論基盤」(課題番号:JPMJPR23FC)、および日本学術振興会(JSPS)科学研究費助成事業(KAKENHI)(課題番号:JP23KJ0521、JP23K19970)の支援を受けて実施しました。

<プレスリリース資料>


本文 PDF(660KB)

<論文タイトル>

“Fault-tolerant quantum computation with polylogarithmic time and constant space overheads”
DOI:10.1038/s41567-025-03102-5

問い合わせ先

<JST事業に関すること>


藤井 健視(フジイ ケンジ)
科学技術振興機構 ムーンショット型研究開発事業部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K's五番町
Tel:03-5214-8419 Fax:03-5214-8427
E-mail:moonshot-info

jst.go.jp

<報道に関すること>


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東京大学大学院情報理工学系研究科 広報室
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Nanofiber Quantum Technologies, Inc. 管理部
E-mail:info

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科学技術振興機構 広報課
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E-mail:jstkoho

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