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大阪公立大学 研究Discovery Saga
2025年11月20日

膝の不調がからだの動きのイメージを弱める? 痛みが認知機能にまで及ぶ、見えない変化を解き明かす

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学複合領域工学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
空間認識/身体表象/持続可能/持続可能な開発/関節/身体機能/内部モデル/膝関節/変形性膝関節症/リハビリ/軟骨/高齢者/認知機能/慢性疾患

2025年11月20日
現代システム科学研究科
プレスリリース

発表のポイント

◇変形性膝関節症(膝OA)※1の高齢者は、身体の回転動作に関するイメージ形成が困難であることが判明。
◇膝OAは、身体機能だけでなく身体表象※2にも影響を及ぼす可能性を示唆。

発表概要

膝OAは、世界で6億人以上が罹患している一般的な病気で、膝の痛みや動きづらさによって身体機能が低下します。さらに最近の研究では、脳が自分の体をどう認識しているかという「身体表象」にも変化をもたらす可能性があることが示されています。
大阪公立大学大学院現代システム科学研究科の武藤 拓之准教授らの研究グループは、膝OAを有する高齢女性59人と健常な高齢女性36人に心的回転※3課題を行わせ、人の体に似た形における回転イメージのしやすさに違いが現れるのか検証しました。その結果、膝OAを有する高齢女性は健常な高齢女性に比べ回転イメージがしづらいということが分かりました。また、このグループ間の違いは、BMIや歩行能力の違いでは説明できないことも示されました。
本研究成果は、2025年10月22日に、国際学術誌「Experimental Brain Research」にオンライン公開されました。



図:心的回転課題に使用された顔をつけた物体
高齢者の身体的な疾患が、身体や空間を認識する心の機能とどのように関連するかに関心を持ち、この研究に着手しました。本研究の成果が心身の結びつきに関する理解を深め、リハビリや支援の新しい視点につながることを願っています。



武藤 拓之准教授

掲載誌情報

【発表雑誌】Experimental Brain Research
【論 文 名】Reduced human-body advantage in mental rotation among patients with knee osteoarthritis
【著者】Hiroyuki Muto, Ryusuke Nakai, Masashi Taniguchi, Masahide Yagi,  Yoshihiro Fukumoto, Shogo Okada, Sayaka Okada, Masashi Kobayashi
【掲載URL】https://doi.org/10.1007/s00221-025-07179-5

用語解説

※1:変形性膝関節症 (膝OA):膝関節の軟骨が変性・摩耗することで、痛みや可動域の制限が生じる慢性疾患。高齢者に多く見られる。
※2:身体表象:脳内に表現された,自分自身の身体に関する内部モデル。自己の身体の知覚や動作の制御などに関与すると考えられている。
※3:心的回転:頭の中で物体の回転を想像する空間認識能力。人間の知能を構成する重要な認知機能のひとつであると考えられている。

資金情報

本研究は、JSPS科研費 (20H04051、 21H03303、 21K13750、 23K16539、 23K16572) の支援を受けて実施しました。

問い合わせ先

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院現代システム科学研究科
准教授 武藤 拓之(むとう ひろゆき)
E-mail:mutopsy[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

問い合わせ先

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:橋本
TEL:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

プレスリリース全文(PDF文書:290.5KB)
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