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大阪大学 研究Discovery Saga
2025年11月12日

小型デバイスに搭載可能なリアルタイム学習・予測機構を開発

世界最速・最高精度の自己進化型エッジAI!

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
製造業における組み込み機器や車載IoTによるリアルタイム監視・データ駆動型制御、医療分野におけるウェアラブルデバイスを用いた在宅診断など、小型デバイスを用いた多様なリアルタイムAI処理の社会実装が期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学数物系科学生物学工学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
ウェアラブル/ウェアラブルデバイス/データ駆動/クラウド/モノのインターネット(IoT)/時系列モデル/深層学習/人工知能(AI)/埋め込み/環境適応/持続可能/持続可能な開発/データ処理/モビリティ/将来予測/ヘルスケア
2025-10-30●工学系産業科学研究所教授松原 靖子

発表のポイント

小型デバイス内部でリアルタイム学習と予測を実現する世界最速・最高精度のエッジAI技術を開発
最新の深層学習による予測手法と比較し、最大で10万倍の高速化、60%の精度向上を達成
産業用小型機器や車載IoTによるリアルタイム監視・データ駆動型制御、医療分野でのウェアラブルデバイスを活用した在宅診断など、小型デバイスを用いた多様なリアルタイムAI処理が可能に

発表概要

大阪大学産業科学研究所の松原靖子教授、櫻井保志教授は、小型デバイス内部でのリアルタイム学習と予測機能を実現する世界最速・最高精度のエッジデバイスAI(以下、エッジAI)の開発に成功しました。
これまでのエッジAIは、大規模クラウド環境で深層学習などの手法に基づきビッグデータを用いて事前学習を行い、その固定モデルをエッジデバイスに実装して推論する形が主流でした。
今回、研究グループは、小型エッジデバイス内部において計測データを特徴的なパターン毎に分解し、シンプルかつ多数のモデル群を用いて統合的に表現することで、自己学習・環境適応・進化を自ら繰り返し、リアルタイムにモデル学習・将来予測を行う新技術を開発しました。
本研究成果により、製造業における組み込み機器や車載IoTによるリアルタイム監視・データ駆動型制御、医療分野におけるウェアラブルデバイスを用いた在宅診断など、小型デバイスを用いた多様なリアルタイムAI処理の社会実装が期待されます。
本研究成果は、データマイニング・AI分野のトップ会議である 『ACM SIGKDD2025』 (2025年8月3日-7日) において、口頭発表されました。(主催団体:ACM SIGKDD)



図1. 提案技術の概要:小型エッジデバイスに搭載可能なリアルタイム学習・予測機構の開発

研究の背景

モノづくり分野の組み込み機器や車載IoT、医療分野の埋め込み型/ウェアラブルデバイスのような、計算機環境に制約のある小型エッジデバイスでの高速AI処理のニーズが高まっています。
これまでのエッジAIは、大規模クラウド環境で深層学習等の手法に基づきビッグデータを用いて事前学習を行い、その固定モデルをエッジデバイスに実装して推論する形が主流でした。この方法では、学習データを増やすほど解析精度が向上する一方で、膨大なデータ量・解析時間・消費電力を要するため、小型デバイス内でのデータ処理や高速モデル更新には適していません。
さらに、クラウド依存の方法には、通信・運用コスト、データの秘匿性やセキュリティの確保などの課題も残されており、小型エッジ環境でのリアルタイム学習技術は世界的にも確立されていませんでした。

研究の内容

研究グループでは、小型デバイス内部でのリアルタイム学習と予測機能を実現する世界最速・最高精度のエッジAIの開発に成功しました。
既存の主要なAI技術がビッグデータをクラウド上で複雑な単一モデルを用いて学習するのに対し、本技術では、小型エッジデバイス内部において計測データを特徴的なパターン毎に分解し、シンプルかつ多数のモデル群を用いて統合的に表現することで、自己学習・環境適応・進化を自ら繰り返し、リアルタイムにモデル学習・将来予測を行います。
開発技術は、最先端の予測手法の中で現時点において世界最高の予測精度と計算速度を示しており、例えば最新の深層学習による予測手法と比較し、最大で10万倍の高速化、60%の精度向上を達成しました。また、Raspberry Piに超小型モデル学習・解析システムとして実装し、世界で初めて自己進化型エッジ学習機構の開発に成功しました。

本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)

本研究成果により、製造業における組み込み機器や車載IoTによるリアルタイム監視・データ駆動型制御、医療分野におけるウェアラブルデバイスを用いた在宅診断など、小型デバイスを用いた多様なリアルタイムAI処理の社会実装が期待されます。
研究グループでは、10社以上の国内有力企業との共同研究を継続的に実施しています。製造業、モビリティ、エッジデバイスAI、医療・ヘルスケア等のテーマで、実用化・事業化のための取り組みを行なっており、将来的に幅広い業界への波及効果が期待できます。

特記事項

本研究成果は、データマイニング・AI分野のトップ会議である 『ACM SIGKDD2025』 (2025年8月3日-7日) において、口頭発表されました。(主催団体:ACM SIGKDD)
タイトル:MicroAdapt: Self-Evolutionary Dynamic Modeling Algorithms for Time-evolving Data Streams
著者:Yasuko Matsubara, Yasushi Sakurai
DOI:https://doi.org/10.1145/3711896.3737048
また、本研究成果の一部は、特許出願中です。
発明等の名称:時系列モデル学習装置、時系列予測装置、方法及びプログラム
発明者:松原靖子、櫻井保志
出願番号:特願2025-127944
出願日:2025年7月31日
なお、本研究は、JST CREST [S5基盤ソフト]基礎理論とシステム基盤技術の融合によるSociety 5.0のための基盤ソフトウェアの創出「超分散小型IoTエッジノードのための自己進化型リアルタイム学習基盤(代表:松原靖子)」の一環として行われました。

参考URL

松原靖子教授 研究者総覧
https://rd.iai.osaka-u.ac.jp/ja/e36440f5ed2661e4.html
櫻井保志教授 研究者総覧
https://rd.iai.osaka-u.ac.jp/ja/bf2c1a85a3511b17.html

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