ケフィアグレイン由来乳酸菌株が免疫老化を抑制する可能性
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | YRC2606株が加齢に伴う慢性炎症を制御し、免疫システムの"若返り"に寄与する可能性が示される |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】

概要
食品免疫機能学研究室 笹原 宏花さん(博士課程1年)、田中 沙智 教授らによる乳酸菌による免疫老化抑制に関する研究成果が国際誌に掲載されました。加齢に伴う免疫機能の低下(免疫老化)は、感染症の重症化やがんなどの発症リスクを高めることから、高齢化の進む日本や世界において重要な課題となっています。そのため、病気になってから治療するのではなく、病気にならないために予防することが重要と考えられており、その方策の1つが、日常的に摂取する食品成分による生体機能への介入です。
研究チームは、よつ葉乳業株式会社との共同研究を実施し、提供された発酵乳ケフィアの種菌であるケフィアグレイン由来乳酸菌Lentilactobacillus kefiri YRC2606を老齢マウスに摂取させ、免疫老化への影響を解析しました。その結果、YRC2606株を摂取したマウスでは、炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-α)の発現および老化マーカーp16の発現が低下していました。これにより、YRC2606株が加齢に伴う慢性炎症を制御し、免疫システムの"若返り"に寄与する可能性が示されました(図1)。
今後は、ヒトを対象とした免疫老化の予防・制御の検証を進めるためにも、YRC2606株の機能実効分子の探索とそれによる老化抑制メカニズムの解明が期待されます。
本研究成果は、2025年10月10日に学術誌Journal of Functional Foodsに掲載されました。
詳細については、以下からご確認ください。
タイトル:Orally administered heat-killedLentilactobacillus kefiri YRC2606 regulates immunosenescence in aged mice
著者:Hiroka Sasahara1, Haruka Aso2, Fumie Niitsuma1, Akihiro Masaki1, Takayuki Arai2, Shion Yamaguchi2, Hyebin Jeong2, Soyoka Ikeda2, Hajime Tanimachi2, Hikari Hayashida2, Ikumi Fujioka3, Kenji Uchida3, Sachi Tanaka4
所属:1信州大学大学院総合医理工学研究科総合理工学専攻,2信州大学大学院総合理工学研究科農学専攻,3よつ葉乳業株式会社 R&Dセンター,4信州大学学術研究院(農学系)
掲載誌:Journal of Functional Foods, 2025; 134: 107053
URL:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1756464625003950
DOI:10.1016/j.jff.2025.107053
信州大学 研究