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京都大学 研究Discovery Saga
2025年10月28日

超小型衛星NinjaSatが異常に短いX線バースト周期を発見

―“元祖クロックバースター”の時計に異変―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学工学
【Sagaキーワード】
中性子/宇宙科学/衛星/恒星/中性子星/連星/連星系/小型衛星/超小型衛星
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

榎戸輝揚 理学研究科准教授、武田朋志 広島大学日本学術振興会特別研究員(兼:理化学研究所客員研究員)、高橋弘充  同准教授、玉川徹 理化学研究所主任研究員、土肥明 同基礎科学特別研究員、岩切渉 千葉大学助教らの国際共同研究グループは、理化学研究所が主導するキューブサットX線衛星「NinjaSat(ニンジャサット)」を用いて、X線バーストを決まった時間間隔で起こすX線連星系(クロックバースター)を観測し、この天体の観測史上最も短い1.6時間のバースト繰り返し時間(再帰時間)を発見しました。
 今回観測したGS 1826-238はこれまでに7天体しか見つかっていないクロックバースターの中でも最初に発見された「元祖クロックバースター」であり、最短のバースト再帰時間は約3時間でした。バーストの再帰時間は、連星系を成す恒星から中性子星に降り積もるガスの降着速度や組成、中性子星の質量・半径に依存することが、これまでの研究からわかっています。今回観測された短い再帰時間は、従来考えられてきた「中性子星表面全体への一様な降着」では説明できず、「一時的な局所的降着」もしくは「中性子星内部の高温化」といった、これまでほとんど考慮されてこなかった効果が働いている可能性を示唆しており、既存の理論モデルのさらなる精緻化を促すものです。
 本研究成果は、2025年10月24日に、国際学術誌「The Astrophysical Journal Letters」に掲載されました。


決まった時間間隔で爆発を起こすクロックバースターGS 1826-238の想像図
研究者のコメント 「大型衛星だけでなく、キューブサットによって機動的で柔軟な科学観測が実現しつつあります。京都大学でも理化学研究所などの研究所とも連携して、将来のキューブサット衛星の計画を検討しています。自分たちの手で衛星計画を考え、装置を設計・製作し、観測計画を練り、大学院生や若手スタッフを中心に宇宙科学を自らの手で実現していきたいと考えています。」(榎戸輝揚 )

詳しい研究内容について

超小型衛星NinjaSatが異常に短いX線バースト周期を発見―“元祖クロックバースター”の時計に異変―

研究者情報

研究者名 榎戸 輝揚
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.3847/2041-8213/ae0e75
  【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/297713

【書誌情報】
Tomoshi Takeda, Toru Tamagawa, Teruaki Enoto, Wataru Iwakiri, Akira Dohi, Tatehiro Mihara, Hiromitsu Takahashi, Chin-Ping Hu, Amira Aoyama, Naoyuki Ota, Satoko Iwata, Takuya Takahashi, Kaede Yamasaki, Takayuki Kita, Soma Tsuchiya, Yosuke Nakano, Mayu Ichibakase, Nobuya Nishimura, (NinjaSat collaboration) (2025). Return of the Clocked Burster: Exceptionally Short Recurrence Time in GS 1826−238.The Astrophysical Journal Letters, 993, 1, L13.

関連部局

理学部・理学研究科