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筑波大学 研究Discovery Saga
2025年10月28日

英文の読みやすさはシンプルな言語的特徴で予測できる

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学複合領域工学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
視線計測/オープンデータ/ベイズ統計/統計分析/持続可能/持続可能な開発
社会・文化


(Image by Vectorium/Shutterstock)

概要

文章の読みやすさには「理解しやすさ」と「処理しやすさ(読解に要する労力)」の側面があります。本研究では、日本語を母語とする英語学習者の視線計測データをもとに、文章の処理しやすさが、単語や文の長さといったシンプルな要因だけで効率的に予測できることを明らかにしました。
 読解教育では、学習者のレベルに合った教材を選ぶために、文章の読みやすさを客観的に評価することが重要です。とりわけ英語の文章については、長年にわたり多くの研究者がさまざまな指標を提案してきましたが、それらの大半は内容の「理解しやすさ」を測るものであり、実際の読解に要する時間や労力、すなわち「処理しやすさ」を測定する指標はほとんどありませんでした。そこで本研究では、文章読解中の視線計測データを処理労力と捉え、英語学習者にとっての文章の「処理しやすさ」がどのような要因によって予測できるのかを探ることを試みました。
 日本語を母語とする大学生・大学院生41名が、英検準2級~準1級に相当する文章を読解した際の視線計測データ(オープンデータ)を用いて、文章ごとの読解時間の合計、および単語の読み飛ばしや読み戻りの回数について、単語の難しさや文構造の複雑さ、文章のまとまりなどさまざまな言語的特徴の指標から予測する統計分析を行いました。その結果、単語や文の長さといった算出が容易でシンプルな要因のみによって、文章読解中の処理労力を十分に予測できることが示されました。
 本研究成果は、複雑な言語特徴の指標を用いなくても、英語学習者にとっての文章の読みやすさ(処理しやすさ)を効率的に推定できる可能性を示しており、英語教育における読解教材選定やテスト作成に新たな知見を与えると考えられます。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学 人間系
名畑目 真吾 助教
山口 一大 准教授

掲載論文

【題名】
Revisiting text readability and processing effort in second language reading: Bayesian analysis of eye-tracking data
(第二言語読解における文章の読みやすさと処理労力の再検討:ベイズ統計による視線計測データの分析)
【掲載誌】
Language Learning
【DOI】
10.1111/lang.70011

関連リンク

人間系