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早稲田大学 研究Discovery Saga
2025年10月26日

世代を超えてテロメアDNAを維持する新たな仕組み

~線虫テロメレースRNAによる「イントロン・ヒッチハイク」~

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
次世代に向けた生殖細胞特異的なテロメアの伸長を行い、種の存続を保証するという巧妙な仕組みが明らかに
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
化学生物学工学総合生物農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
ゲノムDNA/タンパク質合成/モータータンパク質/生殖系列/snRNA/遺伝情報/塩基配列/個体群/生殖/生存戦略/前駆体/電気泳動/モーター/核小体/遺伝子改変/生体内/トランスポゾン/イントロン/カルス/マッピング/哺乳類/ゲノム配列/リン酸/変異体/ゲノム編集技術/ミオシン/酵素活性/昆虫類/配偶子形成/生殖細胞/プロモーター/アデノシン/ヒトゲノム/酵素反応/染色体/mRNA/テロメア/筋肉/寿命/がん化/ゲノム編集/細胞系譜/ATP/RNA/RNA分解/がん細胞/ショウジョウバエ/スクリーニング/スプライシング/マウス/モデル動物/幹細胞/細胞分裂/神経細胞/生体分子/長鎖非コードRNA/転写制御/発現制御/非コードRNA/ゲノム/遺伝子

発表概要

理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター配偶子形成研究チームの澁谷大輝チームディレクター、竹田穣基礎科学特別研究員、石田森衛研究員、梶川絵理子テクニカルスタッフⅠ、発生ゲノムシステム研究チームの近藤武史チームディレクター、生命医科学研究センター高機能生体分子開発チームの田上俊輔チームディレクター、東京大学定量生命科学研究所の齊藤博英教授、早稲田大学理工学術院の浜田道昭教授らの国際共同研究グループは、線虫[1]のテロメレース[2]RNAが遺伝子のイントロン[3]中に存在することを発見し、生殖細胞でテロメア[2]が次世代に向けて伸長される新しいメカニズムを解明しました。
本研究成果は、世代をまたいでDNAを継承する生物生存戦略の新たな分子メカニズムを提案し、生命進化の理解に貢献するものです。
真核生物のDNA末端にあるテロメアは細胞分裂のたびに短縮するため、やがて細胞は染色体を維持できなくなり寿命を迎えます。しかし、次世代へと引き継がれる唯一の細胞系譜である生殖細胞では、テロメアが伸長されて次世代に伝達され、世代を経てもテロメアが短縮することなく、種の存続が担保されます。
今回、国際共同研究グループは、テロメアを伸長する酵素の活性化に必須なテロメレースRNAを線虫で同定したところ、既知の生物種の中で唯一、線虫のテロメレースRNAだけが、タンパク質をコードする遺伝子のイントロンに存在する特殊なRNAであることを発見しました。生殖細胞で発現する遺伝子のイントロンにテロメレースRNAが「ヒッチハイク」することで、次世代に向けた生殖細胞特異的なテロメアの伸長を行い、種の存続を保証するという巧妙な仕組みが明らかになりました。
本研究は、科学雑誌『Science』オンライン版(10月23日付:日本時間10月24日)に掲載されました。