[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

筑波大学 研究Discovery Saga
2025年10月20日

漫画を用いた糖尿病教育は講義と同等に子どもの知識と運動量を増やす

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
複合領域工学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
加速度計/身体活動/健康教育/身体活動量/持続可能/持続可能な開発/インスリン/行動変容/小児/糖尿病
医療・健康


(Image by POP-THAILAND/Shutterstock)

概要

子どもに対する糖尿病教育において、教材として漫画を用いた場合、講義と同じように糖尿病に対する知識や予防のための運動量を増やせることが分かりました。また、漫画を読むことは「満足」と感じやすく、その気持ちが行動の変化につながることも明らかになりました。
 糖尿病は、子どもから大人まで広く見られる病気であり、小児期での適切な知識や生活習慣の獲得がとても大切です。しかし、「糖尿病は怠け者の病気」「インスリンを使うと動かない方が良い」などの誤解も多く、分かりやすく正しい知識を提供する工夫が必要です。本研究では、糖尿病をテーマにしたオリジナル漫画を作り、これを使った教育の効果を調べました。茨城県に住む8~15歳の子ども30人を対象とし、無作為に、漫画を読むグループと講義を受けるグループに分けました。最初の2週間は加速度計(歩数などを測る機械)により身体活動量を測定し、その後、糖尿病の知識を問うテストを行いました。そして6か月後に再度、測定とテストを行いました。
 その結果、どちらのグループも糖尿病の知識が大きく伸び、毎日の歩数や運動量も増えており、漫画と講義はほぼ同等の効果があることが分かりました。さらに心理的な効果として、漫画グループでは講義グループと比べて「満足」といった気持ちが高まり、これがテストや活動量の伸びと関連していました。一方、講義グループではそのような関連は見られませんでした。すなわち、漫画には子どものやる気や楽しさを引き出す働きがあると考えられ、教材によって教育効果の発揮メカニズムが異なることを示唆しています。
 本研究結果から、漫画を通じて糖尿病の正しい知識が得られ、さらに体を動かす行動変容にもつながることが明らかになりました。今後より多くの子どもを対象に研究を重ねることで、学校や地域での健康教育に役立つと期待されます。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学システム情報系
鈴木 健嗣 教授
鈴木 康裕 特任助教

掲載論文

【題名】
Effects of a diabetes-themed cartoon-based education on disease knowledge and physical activity among japanese children: a preliminary randomized controlled trial.
(糖尿病をテーマにした漫画教育が日本の子どもの疾病知識と身体活動に及ぼす効果:予備的ランダム化比較試験)
【掲載誌】
Clinical Pediatric Endocrinology
【DOI】
10.1297/cpe.2025-0058

関連リンク

システム情報系