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東京大学 研究Discovery Saga
2025年10月18日

ブテンを原料に天然物のコードを紡ぐ

新触媒が拓く医薬リード分子の迅速プログラム合成研究成果

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
持続可能性のある社会を支える分子合成技術として、クリーンで高効率な医薬品供給などへの幅広い応用が期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学工学総合生物医歯薬学
【Sagaキーワード】
プログラム合成/情報学/持続可能/持続可能性/廃棄物/生物活性/抗生物質/立体構造/抗がん剤

掲載日:2025年10月17日

概要

東京大学大学院薬学系研究科の中尾裕康 大学院生(研究当時)、Mirja Md Mahamudul Hassan(特任研究員)、中村勇介 大学院生、豊邉萌 大学院生、三ツ沼 治信 助教、金井 求 教授と、名古屋大学 大学院情報学研究科 東 雅大 教授の研究グループは、石油由来の「ブテン」という手に入りやすい原料を使って、「ポリオール」と呼ばれる医薬品や天然物によく見られる有用な物質を効率的に合成する方法を開発しました。ポリオールは、抗生物質や抗がん剤といった医薬品にも含まれる重要な構造要素で、複雑な立体構造を持っています。この立体構造は生物活性を左右する暗号(コード)の働きをしていて、目的の医薬効果を得るには、このコードを正確に紡いで合成して行く必要があります。そのために、従来の合成法では多くの労力が必要で、廃棄物もたくさん出てしまうという課題がありました。
 本研究では、光を使った新しい触媒技術を活用し、ポリオールのコードを思い通りにプログラムしながら、従来よりも格段に短い工程で、環境に優しく作ることに成功しました。この成果は、持続可能性のある社会を支える分子合成技術として、クリーンで高効率な医薬品供給などへの幅広い応用が期待されます。
 
リリース文書 (PDFファイル: 403KB)

論文情報

Science, "Visible-light-driven stereodivergent allylation of cyclic hemiacetals with butene for polypropionate synthesis,"Hiroyasu Nakao, Mirja Md Mahamudul Hassan, Yusuke Nakamura, Moe Toyobe, Masahiro Higashi, Harunobu Mitsunuma*, Motomu Kanai*: 2025年10月8日, doi:10.1126/science.adz0686.
論文へのリンク (掲載誌 )

科学と技術

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