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京都工芸繊維大学 研究Discovery Saga
2025年9月30日

材料化学系 野々口斐之 准教授、湯村尚史 教授、細川三郎 教授らの研究グループは、“水の力”で不溶性の有機半導体材料をフィルム化することに成功しました

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
扱いづらいとされてきた有機 n 型熱電材料に新しい加工ルートを与えるとともに、柔軟で環境に適応するエネルギーデバイスや次世代光センサーの開発に向けた重要な一歩
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学化学総合理工工学総合生物農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
電気伝導度/テラヘルツ/赤外線/フィルム/高分子/有機半導体/配位高分子/テラヘルツ波/半導体材料/ドーピング/電気伝導/熱電材料/カーボン/カーボンナノチューブ/センサー/光センサー/電磁波/半導体/非破壊検査/ナノチューブ/エネルギー変換/環境要因

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材料化学系 野々口斐之 准教授、湯村尚史 教授、細川三郎 教授らの研究グループは、“水の力”で不溶性の有機半導体材料をフィルム化することに成功しました

概要

材料化学系 野々口斐之 准教授、湯村尚史 教授、細川三郎 教授らの研究グループは、安定な n 型熱電材料として注目されてきたニッケル-エテンテトラチオレート系配位高分子(poly(NiETT))に対し、これまで大きな障害となっていた「不溶性」の問題を解決しました。研究チームは、水と有機溶媒を適切に混ぜることで、poly(NiETT) 粉末が自然にほぐれて分散する新しい手法を発見しました。このシンプルな方法により、従来は困難だった薄くて柔軟なフィルムの作製が可能となりました。
 得られたフィルムは、電気伝導度やゼーベック係数といった温度差発電(熱電)特性において高い性能を示し、さらに湿気のある空気中でフィルムを加熱すると水分が「ドーピング効果」をもたらし、性能が向上することも明らかになりました。環境要因を逆手に取った制御法は、有機熱電材料の新しい活用の道を開きます。加えて、この材料をカーボンナノチューブと組み合わせた試作センサーでは、テラヘルツ波(THz波)と呼ばれる電磁波(赤外線)に対して、従来の約4倍の感度を実現しました。テラヘルツ波は次世代通信(6G/7G)や医療診断、非破壊検査に応用が期待されており、本成果はエネルギー変換材料としてだけでなく、高感度光センサーとしての実用化可能性も示しています。
 この研究は、扱いづらいとされてきた有機 n 型熱電材料に新しい加工ルートを与えるとともに、柔軟で環境に適応するエネルギーデバイスや次世代光センサーの開発に向けた重要な一歩となります。


図1:poly(NiETT)の薄膜調製技術
 本件の詳しい内容はこちら(PDF)
 本研究成果は、2025年9月5日に英国王立化学会の学術誌『Journal of Materials Chemistry A』(外部リンク)にて公開されました。

問い合わせ先

総務企画課広報係
TEL:075-724-7016
E-mail:koho[at]jim.kit.ac.jp(※[at]を@に変換してください)