根本的な治療法のないシェーグレン病、自己抗体の違いで病態が異なることを解明
-患者さんごとの個別化医療(プレシジョン・メディシン)実現に道-
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
位置情報/産学連携/ゲノミクス/一細胞/CD8/さんご/微生物/膠原病/遺伝子制御/自己抗体/線維芽細胞/T細胞/トランスクリプトーム/リウマチ/自己免疫/自己免疫疾患/創薬/免疫学/遺伝子/遺伝子発現/疫学/個別化医療/抗体/唾液/難病
2025/09/24
慶應義塾大学医学部
理化学研究所
概要
慶應義塾大学医学部内科学教室(リウマチ・膠原病)の稲毛純助教(現:微生物・免疫学教室助教)、竹下勝専任講師、金子祐子准教授(現:教授)、竹内勤教授(現:埼玉医科大学学長)らは、慶應義塾大学医学部主体の産学連携共同研究組織である免疫炎症性難病創薬コンソーシアムおよび理化学研究所生命医科学研究センター(IMS)遺伝子制御ゲノミクス研究チームのホン・ヂョン チョウチームディレクターとの共同研究において、自己免疫疾患であるシェーグレン病において、患者さんが持つ自己抗体の種類によって唾液腺での免疫反応や炎症のメカニズムが異なることを、1細胞レベルの解析で明らかにしました。本研究では、唾液腺の組織を構成する一つひとつの細胞の遺伝子発現を網羅的に解析する「シングルセル解析」と、細胞の空間的な位置情報を保ったまま解析する「空間トランスクリプトーム解析」という最新技術を駆使しました。その結果、唾液腺を直接攻撃する細胞傷害性の高い「GZMB+GNLY+ CD8陽性T細胞」の存在や、自己抗体の種類によって異なる炎症経路、さらには炎症を局所で操る“司令塔”として機能する「THY1陽性線維芽細胞」を特定しました。この成果は、これまで対症療法が中心であったシェーグレン病の根本的な治療法、特に患者さん一人ひとりの病態に応じた個別化医療の開発に大きく貢献するものです。
本研究成果は、2025年9月22日(日本時間)に、英科学誌Nature Communicationsに掲載されました。 プレスリリース全文は、以下をご覧下さい。
慶應義塾大学 研究