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東京大学 研究Discovery Saga
2025年8月30日

RNAを見分けてほどく、ヘリカーゼの分子機構 タンパク質の柔軟な天然変性領域がRNA識別の鍵研究成果

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学化学総合生物医歯薬学
【Sagaキーワード】
磁気共鳴/物理化学/神経発達/翻訳制御/mRNA/分子機構/RNA/核磁気共鳴/高次構造/生体分子/創薬/動的構造



掲載日:2025年8月28日

概要

理化学研究所生命機能科学研究センター生体分子動的構造研究チームの嶋田一夫チームリーダー(研究当時、現生命医科学研究センター生体分子動的構造研究チームチームディレクター、バイオ産業情報化コンソーシアム(JBIC)特別顧問)、外山侑樹研究員(研究当時、現生命医科学研究センター生体分子動的構造研究チーム客員研究員、東京大学大学院薬学系研究科特任助教)、東京大学大学院薬学系研究科生命物理化学教室の竹内恒教授の共同研究チームは、メッセンジャーRNA(mRNA)を認識し、その翻訳制御を担うRNAヘリカーゼの一種DEAD-Box RNA helicase 3 X-linked(DDX3X)タンパク質が、特定のmRNAを選択的に見分ける分子機構の一端を明らかにしました。 

 DDX3Xは、mRNAの高次構造をほどくRNAヘリカーゼ活性を持ち、がんや神経発達症の発症などに関与していることが知られています。今回、共同研究チームは、溶液核磁気共鳴分光法(溶液NMR法)を用いて、DDX3Xの天然変性領域(IDR)が、mRNA中のグアニン4重鎖(GQ)構造を選択的に認識し、ヘリカーゼ活性を担うコア領域がこのGQ構造をほどくことを明らかにしました。そして本研究は、DDX3Xがこれら二つの領域の協奏的な働きによってmRNAを選択的に認識し、その翻訳を促進する分子機構を提唱しました。本研究成果は、DDX3Xが関わる疾患の発症機序の解明や、タンパク質とRNAの相互作用を標的とした新たな創薬技術の開発に貢献すると期待されます。
リリース文書 (PDFファイル: 2.3MB)

論文情報

Yuki Toyama, Koh Takeuchi, Ichio Shimada, "Regulatory role of the N-terminal intrinsically disordered region of the DEAD-box RNA helicase DDX3X in selective RNA recognition,"Nature Communications: 2025年8月28日, doi:10.1038/s41467-025-62806-7.
論文へのリンク (掲載誌

)

科学と技術

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